基本的内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/12 02:14 UTC 版)
「エンドツーエンド原理」の記事における「基本的内容」の解説
エンドツーエンド原理の背景にある基本的考え方は、2つのプロセスが何らかの通信手段を用いて互いに通信する際、その通信手段の提供する「信頼性」だけでプロセスに要求されている信頼性を完全に達成することは期待できないというものである。特にそれなりの大きさのネットワークに隔てられたプロセス間で通信する際に非常に高い信頼性が求められる場合、そのコストは単純な肯定応答と再送(ARQなど)で達成できる信頼性要求を満たす場合より高くなる。ある一定のマージンを超えて信頼性を得るには「中間ノード」内の機構よりも「終端ホスト」内の機構の方がずっと容易で扱いやすく、特に終端ホストの方が中間ノードよりも制御しやすい場合はそうである。エンドツーエンドで肯定応答と無限に再試行する再送のプロトコル(PAR、Positive Acknowledgment with Re-transmission プロトコル)を使うと、データ転送の成功確率がゼロより大きい任意のネットワークで任意の高い信頼性を達成できる。 エンドツーエンド原理をエンドツーエンドの誤り制御・訂正以外に拡張して適用することは簡単ではない。例えば、レイテンシやスループットといった通信パラメータの向上に直接エンドツーエンド原理で寄与することはできない。Saltzer(最初のエンドツーエンド原理に関する論文の主著者)との個人的やりとりに基づき、BlumenthalとClarkは2001年の論文で次のように記している。 当初から、エンドツーエンド論は終端で要求仕様を正しく実装できると仮定してきた。ネットワーク内に実装する以外に要求を達成する手段がないなら、そもそもエンドツーエンド論は不適切である。(p. 80)
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