基層言語説
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2つの言語(仮にAとBとする)が接触し、言語Aの話者が言語Bを不完全に習得した時、言語Aの発音特徴が言語Bへ受け継がれる(母語転移)とする説。すなわち、言語交替の際に基層言語の発音特徴が残存する。これは「基層言語仮説(substratum theory)」 と呼ばれる。
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基層言語説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 08:46 UTC 版)
「ズーズー弁」の発音特徴は何らかの基層言語に由来するという説。考古学、歴史学などの専門家や国外の言語学者、学際的な研究者は本説を採用することが多い。 小泉保は、『縄文語の発見』で、ズーズー弁は「裏日本縄文語」の発音特徴であると推定した。古代蝦夷(えみし)や三内丸山遺跡の住民との関連性を指摘している。 古代出雲説と関連し、古代においてズーズー弁は東北から日本海沿岸を伝い山陰まで分布しており、大和勢力の拡大に伴い、東山陰地方はズーズー弁要素が弱まり、出雲が取り残された形になったのではないかと指摘する説もある。 学際研究に取り組む分子人類学者の崎谷満は、ズーズー弁を特徴づける[ɨ]の起源は母音調和(陰母音)をもつウラル語族やアルタイ諸語に属す言語の発音であり、かつて東日本や山陰にはアイヌ語とも日本語(関西方言)とも異なる「東日本基層語」が存在した可能性があると主張している。 茨木のり子や司馬遼太郎は、日本の日本海沿岸地方の方言と朝鮮語、満洲語の類似性、関連性を指摘している。モンゴル人(力士)が日本語を話す際にズーズー弁の母音力学であるウ→オ、イ→エ、イ→[ɨ]←ウの変化が頻繁に観察されることから、アルタイ系言語の発音特性の可能性があるという。なお、出雲の住民はツングース族であったという説もある。
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