埋葬とミイラ作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 09:45 UTC 版)
詳細は「グアンチェ族のミイラ」を参照 ミイラ作成の技術はテネリフェ島で発展した。グラン・カナリア島でも古代人のミイラが見つかっているが、研究の結果こちらは意図的にミイラ化しようとした痕跡が認められず、自然発生的にミイラ化したものと考えるのが妥当と結論づけられた。ラ・パルマ島のミイラも同様に自然発生的なものであり、ラ・ゴメラ島とエル・イエロ島ではミイラそのものの存在が立証されていない。なおランサローテ島とフエルテベントゥラ島はこれら調査の対象になっていない。 ラ・パルマ島では、死期を悟った老人は自主的に集落を離れた[要出典]。家族と最後の別れを済ませると、墓所として使用されている洞窟へ移送され、椀一杯ぶんのミルクだけがその場に残された。グアンチェ族には遺体のエンバーミング技術があり、多数のミイラが見つかっている。これらミイラはいずれも高度に乾燥されており、せいぜい6-7ポンド程度の重量しかない。サンタ・クルス・デ・テネリフェの海岸から3マイル程の場所に、直立した大岩で塞がれ侵入困難な洞窟があるが、ここにはいまだ多くの遺体が眠っていると考えられる。エンバーミングの技法は一様ではないらしく、テネリフェ島とグラン・カナリア島では山羊か羊の皮で遺体を包むだけだが、他の島では遺体保存の目的で樹脂を塗っている事例もある。これらの遺体は人の立ち入り困難な洞窟を選んで安置されるか、あるいは墳丘墓に埋葬された。エンバーミングを行うのは専従の階級に属する人々で、女性の遺体は女性が、男性の遺体は男性が作業に当たった。ただしエンバーミングは全ての死者に施されたわけではなく、大半の遺体はただ洞窟に安置されるか埋葬されている。 自然と人の博物館(英語版)(サンタ・クルス・デ・テネリフェ)では、カナリア諸島で発見された本物の先住民ミイラを展示している。 1933年、テネリフェ島南部サン・ミゲル・デ・アボーナ(英語版)のUchovaにおいて、カナリア諸島最大規模のグアンチェ族ネクロポリスが発見された。この墓地は略奪者に荒らされきった後であったが、いまだ60-74体のミイラが眠っているものと考えられる。
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