地勢・地質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/18 14:13 UTC 版)
箱根山麓から伊豆半島にかけて伸びる北伊豆断層帯の西縁に位置する外周4km程度の小さな盆地である。標高は約230m。盆地の南北に細長い谷が走り、北側には田代盆地や軽井沢盆地などのさらに小さな盆地群が連なる。これらは全て、北伊豆断層帯の活動によって生み出された構造盆地である。盆地の中央部には田代盆地から連なる丹那断層が貫いている。 付近一帯は熱海火山由来の火山岩の地質であり、地下には砂礫層が存在する。これが断層破砕帯の存在と相まって豊富な地下水をたたえており、丹那トンネルの掘削時には大量の水が溢れ出すこととなった。建設当時、この地質について詳しい調査が進まなかったことも、16年に及ぶ難工事の一因となった。なお、丹那トンネルからの大量の漏水は現在でも熱海・函南の上水道の一部となっている。 1930年には北伊豆断層帯にずれが生じたことが原因で、当地をマグニチュード7.6の大地震が襲った(北伊豆地震)。この地震の後、地域一帯に大きな地盤のずれが発見され、特に丹那盆地付近では変位2.5~3.5mもの大きな横ずれを観測し、盆地南東部ではその一部が露出した。この断層は当時建設中であった丹那トンネルの建設にも影響を及ぼすとともに、地震学の面からも大きな注目を浴びた。 1935年には天然記念物の指定を受け、現在も断層公園として当時の状態のまま保存されている。また2012年9月25日には函南町を含めた伊豆半島全体が伊豆半島ジオパークの認定を受け、その中で丹那断層周辺がジオサイトに登録されている。
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