地中隔離法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 15:14 UTC 版)
炭層固定 石炭に吸着しているメタンをコールベットメタンと呼ぶ。石炭にメタンより二酸化炭素が吸着されやすく、メタンと二酸化炭素が置換される。この性質を利用して、地中の石炭層に二酸化炭素を封入し、メタンを回収する方法。 帯水層貯留(Deep Saline Aquifer, DSA) 地中の帯水層に高圧の二酸化炭素を封入し、地下水に溶解させるなどして固定・貯留する手法。帯水層中の二酸化炭素は超臨界流体である。長岡で実証実験が行われた。 油層・ガス層貯留 地中の油層やガス層に二酸化炭素を封入する手法。採取が行われている油層やガス層に封入することで層内の圧力を高めて産出量の増加に利用する「石油増進回収法」(enhanced oil recovery, EOR) と、採取がされていない油層やガス層に封入した後密閉する手法がある。 鉱物固定 二酸化炭素を封入した地層内で反応させ、鉱物化させて固定する手法。蛇紋岩層への固定、高温の岩石への固定などがある。技術的には研究段階にある。 CO2ハイドレート貯留(海底下、永久凍土下) 海底下の孔隙率の高い砂層で、二酸化炭素をハイドレート化(固体)させて貯留する手法。ハイドレート化が可能な代表的な温度・圧力は,10℃以下,4.5MPa以上で、日本周辺海域において貯留できる可能性がある海域が温度・圧力に基づいて検討されている。 ゲスト分子置換法 ハイドレート格子にメタン分子より二酸化炭素分子の方がトラップされやすい性質を用いて、メタンと置換する方法。米国やドイツで検討されている。米のConocophillips,JOGMECが,2012年にアラスカでField trialを共同で行うと報道されている。また、CO2ハイドレートの生成熱で積極的に地層を加温し、地層の孔隙が閉塞しないようにCO2注入する方法が検討されている。 メタンへの変換 二酸化炭素を、封入した地層内で、メタン菌を利用してメタンにして貯留する手法。技術的には研究段階にある。
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