地中熱の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 06:55 UTC 版)
地下の温度は土壌の断熱機能により大気の温度変化の影響を受けにくく、一年を通してほぼ一定であることを利用し、古くから食品や氷の保存に利用されてきた。20世紀に入るとヒートポンプによる積極的な温度差利用が行われるようになる。冬場は、地中から熱をすくい上げる(暖房)、夏場は地上の熱を地中に放出する(冷房)という形で利用する。エアコンのようにコンプレッサを用いるものの他、地下水や不凍液等を地中熱交換器に循環させ、地中からヒートポンプへの熱運搬を行っている。また、汲み上げた地下水と熱交換するやり方もある。ランニングコストは安いものの機器設置等のイニシャルコストが比較的高い点はデメリットであるが、十数年で元をとることができる。メリットについては 一般のエアコン(空気熱源ヒートポンプ)に比べて効率が高い 節電効果が高く、夏の冷房時のピークカットに有効 エアコンが利用できない環境(外気温-15℃以下)でも利用が可能 熱を屋外に放出しないことによるヒートアイランド現象の緩和 二酸化炭素排出量の抑制 動力部分を地中に埋めることで、原動機から出る低周波や騒音を遮断できる などが挙げられる。
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