地中海鉄道260形・ヴェーネタ公共鉄道110形
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「イタリア国鉄980蒸気機関車」の記事における「地中海鉄道260形・ヴェーネタ公共鉄道110形」の解説
スイスのベルナーオーバーラント鉄道のHG3/3 7-10形として1906年に7、8号機、1910年に9、10号機の4両がいずれもSLMで製造されて導入された機体が、同鉄道の電化に伴い1915-17年に廃車となり、全機がイタリアに譲渡されて使用されたものである。 HG3/3 7、8、10号機はSLMで950mm軌間、シュトループ式ラック方式に改造の上、地中海鉄道に譲渡されて同鉄道の260形261-263号機として、イタリア南部のラゴネグロからカストロヴィッラリを経由してスペッツァーノ・アルバネーゼまでを結ぶ、全長105km、最急勾配100パーミルのラゴネグロ-カストロヴィッラリ-スペッツァーノ・アルバネーゼ線で1950年まで使用されている。また、HG3/3 9号機は同じくイタリア北部ヴェネト州のヴェーネタ公共鉄道に同様の軌間およびラック方式改造の上で譲渡されている。同鉄道では、最急勾配125パーミルのスキーオ - アジアーゴ間で110号機(機体名Lupa)として路線廃止の1958年まで主に貨物列車の牽引や入換用として使用されている。 これらの機体はもとHG3/3 7、8号機が全伝熱面積62.2m2、自重/運転整備重量24.5/30.0t、もと9、10号機が全伝熱面積66.9m2、自重/運転整備重量25.2/31.6tとスイス国鉄のHG3/3形とほぼ同型であったが、動輪径が910mm、ピニオン径が860mmであるほか、シリンダ径が粘着式駆動装置用、ラック式駆動装置用ともに380mmから310mmに縮小されている。
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