国際民事手続法に関する国内法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 08:31 UTC 版)
「国際民事手続法」の記事における「国際民事手続法に関する国内法」の解説
各国が独自に国際民事手続法に関する国内規定を整備する例も見られる。 グローバリゼーションの進展により、各国において渉外的民事紛争に対処する必要性が増加しているため、このような国内法の整備は各国国民にとって利益となる。しかし各国が独自に法を制定するのであるから、各国での規律内容が区々となり、国際的私法交通の円滑と安全が害される場面の増加が常に懸念されることとなる。 国際商取引法委員会(UNCITRAL)などが作成したモデル法を基礎に国内法を立法する例も見られる。日本の仲裁法もその一つである。モデル法を基礎とした立法が増えることによって、条約ほど直接的ではないが、間接的に、緩やかに、法統一が進むと期待されている。 他方で、国際民事手続法に関する規定を欠く場合もある。その場合には訴えを提起された裁判所が事案ごとに個別的解決を与え、その裁判例の集積によってルールが形成されていくことがある。 例えば日本は2012年4月1日に民事訴訟法が改正され国際裁判管轄に関する条項がおかれるまで、一般的な国際裁判管轄に関する成文法上の規定がなく条理に基づいた判例によるルールが形成されていた。 しかし、判例法・判例理論によるルール形成は網羅的でなく、しばしば判決相互の整合性が問題となる。なにより、ルールの内容が不明確となりがちである。ルールが不明確であると当事者の予測可能性を欠くことになり、リーガルリスクを生じる。これは特にその国の法に精通しない外国人にとって特に大きな問題となる。
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