国際博覧会担当大臣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/29 11:27 UTC 版)
|
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2020年10月)
|
国務大臣 (国際博覧会担当) Minister in charge of International Exposition |
|
|---|---|
| 所属機関 | 内閣 |
| 担当機関 | 内閣官房 |
| 任命 | 内閣総理大臣 (高市早苗) |
| 創設 | 2018年(平成30年)12月21日[注釈 1] |
| 初代 | 世耕弘成[注釈 2] |
| 略称 | 万博担当大臣 万博担当相 万博大臣 万博相 |
国際博覧会担当大臣(こくさいはくらんかいたんとうだいじん、英: Minister in charge of International Exposition)は、日本の国務大臣で、2025年日本国際博覧会の成果の検証及びレガシー継承の具体化に向けた検討を促進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整を担当することを命じられた者の呼称。通称・略称は、万博担当大臣、万博担当相、万博大臣、万博相など。
首相官邸の閣僚名簿の表示は「国際博覧会担当」であるが[1]、官報に掲載の正式な担当の名称は、下記の通り変遷しており、冒頭のものが現在の名称である。2005年日本国際博覧会の際にも設置されていた。
概要
2005年日本国際博覧会
1997年6月、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の開催が決定したことを受けて[2]、同年8月26日付で通商産業大臣・佐藤信二に「2005年(平成17年)に愛知県において開催する国際博覧会の円滑な準備及び運営に資するため行政各部の所管する事務の調整担当」が発令され[3]、通商産業大臣が新設された国際博覧会担当相を兼務することとなった。その後も通商産業大臣の堀内光雄[4]、与謝野馨[5]、深谷隆司[6][7]、平沼赳夫[8]が兼務。中央省庁再編後は、経済産業大臣の平沼赳夫[9]、中川昭一[10]が兼務した。
愛知万博の開幕後に発足した第3次小泉内閣、第3次小泉改造内閣では、担当事項は「円滑な準備及び運営」が「円滑な運営等」[注釈 3]に変更された(それぞれ経済産業大臣の中川昭一[11]、二階俊博[12]が兼務)。
2006年9月発足の第1次安倍内閣では、国際博覧会担当が設置されず[13]、消滅となった。
2025年日本国際博覧会
2018年11月、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が決定したことを受けて、同年12月21日付で経済産業大臣・世耕弘成に「2025年に大阪府において開催する国際博覧会の円滑な準備及び運営に資するため行政各部の所管する事務の調整担当」が発令され[14]、経済産業大臣が新設された国際博覧会担当相を兼務することとなった。この兼務状態は、内閣改造後の菅原一秀[15]、梶山弘志[16]まで続いた。
2019年に令和七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律(平成31年法律第18号)(以下、「特別措置法」)が制定され、2020年9月16日[17]に施行されたことにより、内閣に国際博覧会推進本部(以下、「推進本部」)を置くことになり[注釈 4]、内閣総理大臣の命を受けて、博覧会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする国務大臣を国際博覧会担当大臣[18]と位置付けた。2020年9月16日の菅義偉内閣発足に伴い、経済産業大臣の国際博覧会担当の兼務を解き、このとき入閣した井上信治が、「2025年に大阪府において開催する国際博覧会の円滑な準備及び運営に資するため行政各部の所管する事務の調整担当」を担当を命じられた[19]。ただし、内閣法附則第3項により、推進本部が置かれている間は国務大臣の定員が1名増員された[20]にもかかわらず、井上信治は、国際博覧会担当大臣の専任ではなく、これに加えて、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)を兼務しており、その後の国際博覧会担当大臣も、他の多くの担当を持つ内閣府特命担当大臣が兼務となっていた。
大阪・関西万博の終了後、まもなく発足した高市内閣においては、担当事項は東京オリンピック・パラリンピック担当大臣と同様、「円滑な準備及び運営」が「成果の検証及びレガシー継承の具体化に向けた検討を促進するための企画立案」[注釈 5]に変更され、経済産業大臣の赤沢亮正が兼務となった[21]。
国務大臣の定員の増員は、特別措置法の規定により推進本部が解散する2026年3月31日までの期間限定である[20]が、他の大臣の兼務でなお置かれる可能性はある[注釈 6]。
歴代大臣
| 氏名 | 内閣 | 就任年月日 | 出身母体等 | 備考等 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国務大臣(2005年(平成17年)に愛知県において開催する国際博覧会の円滑な準備 及び運営に資するため行政各部の所管する事務の調整担当) |
||||||
| 佐藤信二 | 第2次橋本内閣 | 1997年8月26日[3] | 自由民主党 (小渕派) |
通商産業大臣が兼任 | ||
| 堀内光雄 | 改造 | 1997年9月11日[4] | 自由民主党 (宮澤派) |
通商産業大臣が兼任 | ||
| 与謝野馨 | 小渕内閣 | 1998年7月30日[5] | 自由民主党 (村上派) |
通商産業大臣が兼任 | ||
| 第1次改造 | ||||||
| 深谷隆司 | 第2次改造 | 1999年10月5日[6] | 自由民主党 (山崎派) |
通商産業大臣が兼任 | ||
| 第1次森内閣 | 2000年4月5日[7] | 再任 通商産業大臣が兼任 |
||||
| 平沼赳夫 | 第2次森内閣 | 2000年7月4日[8] | 自由民主党 (江藤・亀井派) |
通商産業大臣が兼任 | ||
| 第2次改造(中央省庁再編前) | ||||||
| 第2次改造(中央省庁再編後) | 経済産業大臣が兼任 | |||||
| 第1次小泉内閣 | 2001年4月26日[9] | 再任 経済産業大臣が兼任 |
||||
| 第1次改造 | ||||||
| 中川昭一 | 第2次改造 | 2003年9月22日[10] | 自由民主党 (江藤・亀井派) |
経済産業大臣が兼任 | ||
| 第2次小泉内閣 | 2003年11月19日 | 再任 経済産業大臣が兼任 |
||||
| 改造 | ||||||
| 国務大臣(2005年日本国際博覧会の円滑な運営等に関し行政各部の所管する事務の調整担当) | ||||||
| 中川昭一 | 第3次小泉内閣 | 2005年9月21日[11] | 自由民主党 (伊吹派) |
経済産業大臣が兼任 | ||
| 二階俊博 | 改造 | 2005年10月31日[12] | 自由民主党 (二階派) |
経済産業大臣が兼任 | ||
| 国務大臣(2025年に大阪府において開催する国際博覧会の円滑な準備 及び運営に資するため行政各部の所管する事務の調整担当) |
||||||
| 世耕弘成 | 第4次安倍内閣 | 第1次改造 | 2018年12月21日[14] | 自由民主党 (細田派) |
経済産業大臣が兼任 | |
| 菅原一秀 | 第2次改造 | 2019年9月11日[15] | 自由民主党 (無派閥) |
初入閣 経済産業大臣が兼任 |
||
| 梶山弘志 | 2019年10月25日[16] | 自由民主党 (無派閥) |
経済産業大臣が兼任 | |||
| 井上信治 | 菅義偉内閣 | 2020年9月16日 | 自由民主党 (麻生派) |
初入閣 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策)を兼任 |
||
| 若宮健嗣 | 第1次岸田内閣 | 2021年10月4日 | 自由民主党 (竹下派) |
初入閣 内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略)を兼任 |
||
| 第2次岸田内閣 | 2021年11月10日 | |||||
| 岡田直樹 | 第1次改造 | 2022年8月10日 | 自由民主党 (安倍派) |
初入閣 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、地方創生、規制改革、クールジャパン戦略、アイヌ施策)を兼任 |
||
| 自見英子 | 第2次改造 | 2023年9月13日 | 自由民主党 (二階派) |
初入閣 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、地方創生、アイヌ施策)を兼任 |
||
| 伊東良孝 | 第1次石破内閣 | 2024年10月1日 | 自由民主党 (旧二階派) |
初入閣 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、地方創生、アイヌ施策)、新しい地方経済・生活環境創生担当大臣を兼任 |
||
| 第2次石破内閣 | 2024年11月11日 | 再任 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、地方創生、アイヌ施策)、新しい地方経済・生活環境創生担当大臣を兼任 |
||||
| 国務大臣(2025年日本国際博覧会の成果の検証及びレガシー継承の具体化に向けた 検討を促進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整担当) |
||||||
| 赤沢亮正 | 高市内閣 | 2025年10月21日[21] | 自由民主党 (旧石破G) |
経済産業大臣が兼任 他に内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)、原子力経済被害担当大臣、GX実行推進担当大臣、産業競争力担当大臣を兼任 |
||
脚注
注釈
- ^ 経済産業大臣の兼務でない大臣として設置されたのは、2020年9月16日。
- ^ 経済産業大臣の兼務でない大臣としての初代は、井上信治。
- ^ 完全な名称は「2005年日本国際博覧会の円滑な運営等に関し行政各部の所管する事務の調整」。
- ^ 本部長を内閣総理大臣、副本部長を内閣官房長官及び国際博覧会担当大臣[18]とする。
- ^ 完全な名称は「2025年日本国際博覧会の成果の検証及びレガシー継承の具体化に向けた検討を促進するための企画立案及び行政各部の所管する事務の調整担当」。
- ^ 東京オリンピック・パラリンピック担当大臣が、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の解散後の2022年4月1日から8月10日まで、文部科学大臣の兼務でおかれていた。
出典
- ^ “高市内閣 閣僚等名簿”. 首相官邸ホームページ. 2025年10月28日閲覧。
- ^ “★「愛・地球博」クロノロジー”. 外務省. 2025年10月29日閲覧。
- ^ a b 『官報』本紙 第2211号 9頁 「人事異動 内閣」(1997年8月28日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第16号 1頁 「人事異動 内閣」(1997年9月12日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第11号 1頁 「人事異動 内閣」(1998年7月31日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第17号 1頁 「人事異動 内閣」(1999年10月5日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第10号 1頁 「人事異動 内閣」(2000年4月6日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第17号 1頁 「人事異動 内閣」(2000年7月5日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第9号 1頁 「人事異動 内閣」(2001年4月26日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第14号 1頁 「人事異動 内閣」(2003年9月22日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第23号 1頁 「人事異動 内閣」(2005年9月21日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第27号 1頁 「人事異動 内閣」(2005年10月31日)
- ^ “第1次安倍内閣”. www.kantei.go.jp. 2025年10月28日閲覧。
- ^ a b 『官報』本紙 第7417号 11頁 「人事異動 内閣」(2018年12月26日)
- ^ a b 『官報』特別号外 第7号 1頁 「人事異動 内閣」(2019年9月11日)
- ^ a b 『官報』本紙 第121号 8頁 「人事異動 内閣」(2019年10月30日)
- ^ 平成三十七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律の一部の施行期日を定める政令(令和2年9月11日政令第274号)
- ^ a b 特別措置法第6条第1項
- ^ 『官報』特別号外 第99号 1頁 「人事異動 内閣」(2020年9月16日)
- ^ a b “石破内閣よりも1人少ない新内閣 万博担当相、26年3月に期限”. 毎日新聞. 2025年10月28日閲覧。
- ^ a b 『官報』特別号外 第28号 1頁 「人事異動 内閣」(2025年10月21日)
- 国際博覧会担当大臣のページへのリンク