国際単位系における一貫性の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 20:58 UTC 版)
「一貫性 (単位系)」の記事における「国際単位系における一貫性の経緯」の解説
メートル法の単位には1800年代からの科学技術の発展に応じて、様々な雑多な単位が発生し追加されてきたたためにやや混乱気味であった。これに対して、改めて一貫性のある単位系として1948年にメートル法を洗練させた国際単位系(SI)が設計されることになり、その後にSI基本単位、SI組立単位、SI接頭語の追加などによりSIが確立されてきた。このような事情から、SIにおけるSI単位全体が一貫性を持つと誤解されることがあった。 この誤解を解くために、国際度量衡委員会(CIPM)は2001年に次の提案を承認した。 「SI単位(SI units および units of the SI)は、基本単位、一貫性のある組立単位、および推奨される倍量および分量接頭語と結合することによって得られる全ての単位の名称と見なされるべきであると提案する。その意味が基本単位と一貫性のある組立単位のみに制限されるとき、「一貫性のあるSI単位」(coherent SI units)という名称が使われるべきである」 これを受けて、国際単位系の2006年公式文書とその日本語訳注では、以下のような注意を与えている。 しかしながら,接頭語が SI 単位とともに用いられるときには、その組み合わせは一貫性のあるものとはならない。なぜならば、接頭語は 10のべき乗という数係数を組立単位と基本単位の関係式に事実上持ち込んでいるからである。訳注:第2章で述べる SI基本単位(表1)、そのべき乗の積からなるSI組立単位(表2)、固有の名称と記号を与えられた SI組立単位(表3)、及びSI基本単位とSI組立単位のべき乗の積からなるSI組立単位(表4)のことを本文書では「一貫性のあるSI単位」と呼ぶ。第3章で述べるSI接頭語(表5)を付した単位は、SI単位ではあるが一貫性のある単位ではない。 すなわち、用語法として、「一貫性のあるSI単位」の語と「SI単位」の語は次のように定義される。 一貫性のあるSI単位:基本単位と一貫性のある組立単位からなる集合 SI単位:基本単位、一貫性のある組立単位、SI接頭語からなる集合 したがって、SI接頭語を付した単位を組み合わせた場合には、一貫性は失われることに留意すべきである。
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