嗜好品としてのコカの葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 02:42 UTC 版)
葉からコカイン(局所麻酔薬、興奮剤、麻薬)を抽出できる。一部の国(主に南米)では主に高山病対策として葉を茶として飲用するなど、一種の嗜好品や薬用として伝統的に利用されている。 コカの葉自体はコカイン濃度が薄いため、依存性や精神作用は、抽出されたコカインに比較して弱い。 古代文明では、宗教や儀式といった理由からコカの葉が使用されており、ペルーのミイラにも葉が残っているものがあるが、怪我のために唾液と混ぜて局所麻酔薬として用いたのか、儀式的な目的があったのかは定かではない。1492年にスペイン人が南米を征服した際に、コカの葉の使用を廃止しようとしたが、原住民が主張する「葉が与える力」を見出したため合法化され、税金を課して販売される制度となった。また、疲れにくく食欲を減らすため、鉱山での労働に使われたこともあり、広く使用されていた。 摂取によって「恐怖感を喪失させる」「疲労感を薄れさせる」「空腹感を薄れさせる」「眠気を忘れさせる」などという効果が得られるとして、ボリビアでは鉱山労働者などの重労働者がコカの葉を噛みながら仕事をする習慣がある。朝、入坑するときに頬いっぱいにコカの葉を詰め込み、そのエキスを飲むことで、鉱山崩落事故のなどの危険の恐怖を忘れ、疲労や空腹を癒しながら夕方まで(昼食もとらずに)働き続けると言われている。しかし、コカの葉の服用を継続的に行うことで、覚醒状態での注意力の欠如などにより、事故を誘発する原因となるとも考えられている。
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