商業パビリオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 16:39 UTC 版)
「パリ万国博覧会 (1900年)」の記事における「商業パビリオン」の解説
正式な各国館とは別に、エッフェル塔近くに企業などが出展する商業地区が設けられる。その中に「Tour du Monde(世界旅行)」という名の商業パビリオンがあり、外周に並べ立てたエキゾチックな建物には、タイやインド、アレクサンドル・マルセル設計の日本風の五重塔や門が建った。これは19世紀末に欧州で大人気となったジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』を小さく象ったアトラクションで、館内をぐるりと見て歩くと、わずか1時間で世界一周ができるという趣向だった。内装のパノラマ画を画家ルイ・デュムーランが手がけ、各国の風景をジオラマで再現、現地人も連れてきて展示に加えてあった。 展示は多分に西洋人の植民地に対するロマンチックな幻想で歪められたものだったが、旅行作家のホームズは「この塔や門には日本で彫られた本物の彫刻がほどこされており、(万博内の)日本の建築物で唯一見る価値があるものだ」と評し、再現された「茶店は繊細な造りで着物姿の芸者もおり、室内や庭や人々もまさに日本という雰囲気で、日本好きも満足する出来だ」と評価し、事実、このパビリオンは万博で一番の人気を博する。閉幕後、五重塔の設計図はレオポルド2世 (ベルギー王)の手に渡り、ブリュッセルの極東博物館に使われている。
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