哲学者としてのバルフォア
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「アーサー・バルフォア」の記事における「哲学者としてのバルフォア」の解説
バルフォアは1879年に初めての著書『哲学的懐疑の擁護(Defence of Philosophic Doubt)』を出版した。この著作のタイトルのためにバルフォアは不可知論の擁護者であるという評判が広まったが、実際にはこの著作は物質的実在への疑念を主張することで宗教を擁護したものだった。バルフォアの哲学への主たる関心は信仰の基盤を現代社会の中に発見することにあり、そのため自然主義[要曖昧さ回避]に反発し、人は科学に対してそうであるように宗教に対しても疑念を持ってはならないと考えた。この立場は1895年の主著『信仰の基礎』でも踏襲されている。この著作はアマチュアのレベルを超えて学術レベルに達していると高く評価されている。 こうした哲学や宗教への深い関心から『旧約聖書』のヘブライズムに惹かれ、「キリスト教は計り知れないほど数多くの物をユダヤ教に負っているのに、恥ずかしいことにほとんどお返しができていない」と考えていた。それがシオニズムへの共感とバルフォア宣言の背景になったといわれる。バルフォアを説得したヴァイツマンも「イギリス人は聖書を良く知っており、ユダヤ人と精神的に繋がりがあるように思える」と語っている。 バルフォアの哲学に関する著作には以下のような物がある。 哲学的懐疑の擁護(Defence of Philosophic Doubt) (1879年) 評論と演説(Essays and Addresses) (1893年) 信仰の基盤(The Foundations of Belief) (1895年) 美しさと批判の探究心(Questionings on Criticism and Beauty) (1909年) 内政の側面(Aspects of Home Rule) (1913年) 有神論とヒューマニズム(Theism and Humanism) (1915年) 思索的及び政治的評論(Essays Speculative and Political) (1921年) 有神論と思想(Theism and Thought) (1923年)
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