和同開珎以前に存在した貨幣
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:24 UTC 版)
「和同開珎」の記事における「和同開珎以前に存在した貨幣」の解説
和同開珎以前に存在したと推定される貨幣として、無文銀銭と富本銭が知られている。1999年1月19日には、奈良県明日香村から大量の富本銭が発見され、最古の貨幣は和同開珎という定説が覆る、教科書が書き換えられるなどと大きく報道された。しかし、これらは広い範囲には流通しなかったと考えられ、また、通貨として流通したかということ自体に疑問も投げかけられている。現在のところ、和同開珎は、確実に広範囲に貨幣として流通した日本最古の貨幣であるとされている。 天武天皇12年の条は、それまで流通していた無文銀銭を実質価値を伴わない富本銭で置き換え、恐らくは等価値と言う信じられない交換比率を押しつけたため庶民が拒否した状況を示すものと考えられる。律令政府は、このときの失敗を教訓に、今度は改元という重大事項まで演出して無文銀銭をまず和同開珎銀銭で置き換え、さらに銀銭を和同開珎銅銭で置き換えていくという用意周到なシナリオを準備し、さらに銀銭廃止と名目価値を高く設定した銅銭の普及を図ったものとみられる。
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