名前「トゥイストー」の由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 06:42 UTC 版)
「トゥイストー」の記事における「名前「トゥイストー」の由来」の解説
より受け入れられるのは、「tvi- (数値の2)」から「Tuisto(トゥイストー)」となったという説明である。 つまりその語が現在のドイツ語の「Zwitter」(「双生児」もしくは「陰陽両性者」)に該当すると考える説である。何人かの研究者は、これが両性具有者の存在を説明することを示唆している。さらに仮説を進めるならば、もし両性具有だとすれば、トゥイストーは北欧神話に登場する原巨人ユミルと同一の存在であり得る。ユミルも、1人で巨人の血統を生み出したいわば両性具有者であった。 他の推測は、トゥイストー (Tuisto) を「対立・争い・境界」を意味する他のさまざまなゲルマン語派の単語に関連づけている。それは例えば、ドイツ語の「zwist」、スウェーデン語の「tvista」、オランダ語の「twisten」などである。これらはまた、「tvi-」という語根から生じた単語である。そして、ローマ神話における神マールス (Mars) の重要度、およびマルスがローマ建設に関わったことを、トゥイストーのそれと比較する。ローマとその民族の父としてあげられるのは、マールスと彼の息子ロームルス (Romulus) であり、主神のユーピテル (Jupiter) でない。この比較に基づけば、「トゥイストー」は、北欧神話に登場する神テュール (Tyr) の古い時代の名前であり得る。テュールはしばしばマルスと比較される。また、2人はともに戦争の神であると知られている。 こうして、トゥイストーは「2つの顔」あるいは「2本の掌」を意味し、我々のいる世界を構成するあらゆる正反対のものを代表している。それはたとえば、太陽と月、昼と夜、熱さと寒さ、男性と女性、その他のものである。さらにまた、ギリシャ神話のゼウス (Zeus) とインド神話のディヤウス (Dyaus) と共通点がある。まず彼らの名前は、テュールの名と語源的に関係がある。そしてトゥイストーも大地から生じたと語られている(『ゲルマニア』第2章)。ちょうどゼウスが地母神(ガイア)によって生み出されたように。
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