合衆国によるラテンアメリカへの支援
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 15:48 UTC 版)
「進歩のための同盟」の記事における「合衆国によるラテンアメリカへの支援」の解説
計画により、ラテンアメリカへの経済支援額が1960年会計年度と1961年会計年度の間に3倍近く増加。合衆国は1962年から1967年にかけて、ラテンアメリカに対し毎年14億ドルを提供することとなる。支援の総額自体は約223億ドルに上ったが、新たな投資を含めると、この間毎年33億ドルにまで跳ね上がった。 しかしながら、ラテンアメリカ諸国がいまだ合衆国や他の先進国へ借款を返済しなければならなかったため、支援が全て所得の移転や開発に充てられたわけではない。加えて利益がしばしば新たな投資を上回りながらも、投資からの利益は合衆国へ還流するのが常であった。 こうして1960年代末に入るとラテンアメリカへの経済支援が激減し、なかんずくリチャード・ニクソン政権期にその傾向が顕著となる。ウィリアム・T・デンザー米州機構合衆国大使は1969年3月、アメリカ合衆国下院外交委員会の席上、次のように述べている。 資本の流れやその経済効果の他、返済すべき借款が全て合衆国によるラテンアメリカへの支援に充てられるのを見ると、結局はラテンアメリカへ余り多くの資金が投入されなかったのが分かる。 当然のことながら、CIAを使った隠密の資金注入も行われた。左派政権の成立を阻止するために他国の選挙に干渉するための資金である。とりわけ1964年のチリ大統領選挙においては、社会党のサルバドル・アジェンデ候補の当選を阻止するため、企業に優しいエドゥアルド・フレイ候補の選挙資金の半分をケネディおよびジョンソン政権が拠出した。
※この「合衆国によるラテンアメリカへの支援」の解説は、「進歩のための同盟」の解説の一部です。
「合衆国によるラテンアメリカへの支援」を含む「進歩のための同盟」の記事については、「進歩のための同盟」の概要を参照ください。
- 合衆国によるラテンアメリカへの支援のページへのリンク