各駒の移動能力及び成りの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 23:06 UTC 版)
「中将棋」の記事における「各駒の移動能力及び成りの特徴」の解説
歩兵・香車は成るまでは前にしか進めず、仮に不成のまま敵陣1段目に進んだ場合は行き所のない駒となるが、本将棋と異なり両者ともルール上認められている。ただし両者とも成りによって元の駒の完全上位互換になる駒であり、特に香車は不成とする意味が皆無であるため、実戦的には敵陣に突入して即成っているはずである。 香車・反車は成らない限り端以外の列に動けず、仲人も成らない限り初期配置以外の列に動けない。 生駒の角行・麒麟は成らない限り何手かけても筋違いの場所に到達できない。2枚の角行はそれぞれ別々の筋にあり、麒麟は初期配置で右側にある角行と同じ筋となる。 獅子・飛鷲・角鷹は二歩移動できる。詳細は※2を参照。 成りによる性能変化に関する特徴は次の通りである:成りによって利きが元の駒の完全上位互換になるもの:醉象(→太子)、香車(→白駒)、麒麟(→獅子)、盲虎(→飛鹿)、角行(→龍馬)、反車(→鯨鯢)、龍王(→飛鷲)、龍馬(→角鷹)、飛車(→龍王)、歩兵(→金将(と金))このうち歩兵と麒麟については、前者は獅子の付け喰いに使えないルール、後者は先獅子のルールとの関連で、ごく稀に不成が戦略上有効になるケースもある。 成りによって利きが元の駒の完全上位互換にならず、利きの変化においてデメリットを伴うもの:金将(→飛車)、銀将(→竪行)、銅将(→横行)、猛豹(→角行)、鳳凰(→奔王)、竪行(→飛牛)、横行(→奔猪)、仲人(→醉象)これを失う利きの数で分類すると次の通りとなる:1マスの利きを失うもの:仲人(→醉象) 2マスの利きを失うもの:金将(→飛車)、銅将(→横行)、猛豹(→角行)、竪行(→飛牛)、横行(→奔猪) 4マスの利きを失うもの:銀将(→竪行)、鳳凰(→奔王、斜め四方2マス目へは飛び越しで移動できなくなる) これらの駒では、成るか成らないかについて慎重な検討を要することもある。 本将棋と同様の成りルールの場合は、不成で進んだ小駒を敵陣から引いて成る場合(本将棋の4段目での銀成りと同様の例)、金将・銀将・銅将・猛豹・仲人について5段目での成りがありうる(ルール上は醉象・盲虎も同様だが、元の駒の完全上位互換の駒に成るため、実戦的には敵陣に突入して即成っているはずであり、実戦ではまず起こりえない)。またその成りルールでは鳳凰については5段目のみならず6段目での成りがありうる(ルール上、成りによって元の駒の完全上位互換になる駒も含めれば、麒麟も同様)。 このうち猛豹については、角行(ちょろ角)に成ると何手かけても筋違いの場所に到達できなくなってしまうという独特のデメリットがある。 中将棋では、利きの変化においてデメリットを伴う成りであっても、小駒が走り駒になるなど、駒の動きが総体的に強力になる傾向がある。
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