各国C4Iの現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:39 UTC 版)
現在、多くの海軍が戦術級C4Iシステムを構築している。TAVITACやSTACOSなどといった戦術情報処理装置は広く輸出に供され、リンク Yなど、輸出用の戦術データ・リンクの規格も開発された。また、空軍についても、近年では、管制能力の付与された早期警戒機と、先進的なアヴィオニクスを搭載した戦闘機の輸出が進められるにつれて、空中運用可能な戦術級C4Iシステムを構築する国が現れ始めた。また、国家戦略の一環として、地上固定型の高速データ回線が整備されるにつれて、これに伴って戦略級C4Iシステムの構築も進められている。 その一方で、作戦級C4Iシステムの整備は遅れている。その主な理由は、作戦地域において、C4Iシステムを賄うに足る通信回線を確保することが困難であることにある。作戦区域を頻繁に移動する司令部に対して高速回線を提供する最適解は衛星通信であることから、アメリカのように独自の軍事通信衛星を持っている国や、日本のように、軍用とは限られなくとも政府用の通信衛星を保有している国は、これによる衛星通信を使用できる。また、特に海軍分野においては、インマルサットなどの民間通信衛星を使用した独自システムを構築しているケースもあるが、依然として、短波での音声通話あるいは暗号電報のみに頼っている国も多い。
※この「各国C4Iの現状」の解説は、「C4Iシステム」の解説の一部です。
「各国C4Iの現状」を含む「C4Iシステム」の記事については、「C4Iシステム」の概要を参照ください。
- 各国C4Iの現状のページへのリンク