原作者ユーゴーの抗議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 08:23 UTC 版)
戯曲の原作者ヴィクトル・ユーゴーはこのオペラを「下手な模倣品」と言って激しく抗議、初演2年後のパリ初演(イタリア座)ではタイトル、舞台設定および登場人物名の変更を要求した。結局パリでは、題名を『追放者』Il proscritto、舞台はヴェネツィア、役名もエルナーニが「オルドラード」、カルロは「アンドレア・グリッティ」等々とする変更がなされた。なお1840-50年代にあってはイタリアの諸都市でも、検閲官が原作者ユーゴー、あるいは原作戯曲『エルナニ』が刺激的過ぎると考えた場合、この『追放者』あるいは『アラゴンのエルヴィーラ』Elvira d'Aragona、『カスティリアの名誉』L'onore castiglianoなど別題での上演がしばしば行われた。 ヴェルディの『エルナーニ』は戯曲『エルナニ』の初オペラ化ではない。以前にもガブッシ(1834年)、マズッカート(1844年)、またこれ以降もラウダーモ(1849年)なる作曲家のオペラがあるが、ユーゴーはそのどれに対してもまったく問題視しなかった。これ以前ドニゼッティ作曲の成功作『ルクレツィア・ボルジア』で、またこの後もヴェルディの大傑作『リゴレット』で原作者ユーゴーはパリでの上演禁止、または改作、改題などを要求している点からみて、どうやらオペラが大成功となった時だけユーゴーは嫉妬からか文句の一つも言っていたようだ。
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