単胴と多胴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 15:34 UTC 版)
「トリマラン」も参照 構造上、一つの船体のみをもつ通常の船舶のことを単胴船(たんどうせん)といい、船体を複数個平行に繋いだ船を多胴船(たどうせん)といい、以下のものが挙げられる。 双胴船(カタマラン) 三胴船(トリマラン) 多胴船の長所としては、同じ幅の単胴船に比べて喫水線が浅くても船体間のバランスが取れていれば船体が小型でも安定することが挙げられ、短所としては横幅がありすぎ停泊時に場所(水面)を占有しすぎることや、一般的に、運動性能が劣ることである。 セーリングクルーザーの双胴船の場合、ある程度の風や波までは単胴のものより復元力が大きくマスト(帆柱)が垂直に保たれがちなおかげで、風を推力に変える上でロスが少ないが、ひとたび風や波の力による傾きが復原点を超えてしまって転覆してしまうと、マストとセイルが水中、船体の真下に沈んだままになり、二度と自力では起こすことができなくなる、という難点もある。(通常の単胴のセーリングクルーザーは、たとえ転覆しても、ハッチさえしっかり閉じていれば、キール(竜骨)に内蔵した数百kg程度の重りのおかげで、(数分~数十分のうちに)ふとした波などのきっかけを得て船体がどちらかに傾き自然と正しい上下方向に戻り、生還できるのだが、双胴のセーリングクルーザーは一度転覆すると二度と自力では起き上がらず、そのまま遭難→乗組員全員死亡 となってしまう欠点がある。一時期、双胴のセーリングクルーザーが流行した時期があったが、その後、大洋を航行中の転覆・死亡事故が何度も続いた時期があり、「双胴のセーリングクルーザーは、近場はともかく、大洋で使うには危険すぎる」という知識が広まり、建造は下火になった。
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