単台車式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 09:21 UTC 版)
黎明期の小型電車や路面電車に多く見られる走り装置。台車は台枠と一体であり、首振り機能は持たない。 車体から独立した台車枠に装備した軸ばねと枕ばねで輪軸を懸架する。重ね板ばねを軸ばねとして輪軸が車体に直接懸架された二軸貨車の足回りとは異なり、構造的に台車を構成しているので「単台車」と呼ばれる。 円滑な曲線通過のために軸距を長く取ることが困難で、車体長に対して長くなる車体のオーバーハング部分が走行中上下左右に振り子状に振られてピッチングやヨーイングが激しく、横揺れを積極的に吸収する上揺れ枕に相当する機構を持たない事もあって蛇行動を誘発しやすく、乗り心地も走行特性も悪い。高速化にも車両の大型化にも適さず、ボギー式に取って代られた。 しかしながらこれには例外がある。バーニーカーがそれで、既にボギー車時代になっていた1915年に敢えて小型の単車として登場した。これは車輌を小型にすることで頻発運転とワンマン運転を可能とすることで効率化を図った路面電車であった。この電車は乗務員の不足していた第一次世界大戦中には一定の成果を上げ、1930年まで製造が続けられたが、やがて終戦後には収容力不足や軽量ゆえの脱線のしやすさなどの問題が露呈し、最終的に第一線から退くことになった。 なお、路面電車がバリアフリーの観点から超低床車の時代になると、車両全体を車椅子対応にするためにはボギー車にすることが困難という観点から(回転可能な台車を超低床に対応させることは困難なため)、再び二軸車が脚光を浴びることになった。ただし、通常は複数の車両を連結して使われ、1両だけ単独で使われることはない。
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