協定世界時の改善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 14:42 UTC 版)
旧協定世界時は運用が煩雑で、また1秒の刻みも一様でないなどの短所を持つことから、1970年にブライトンで開催された国際天文学連合 (IAU) 第14回総会で、旧協定世界時の大幅な改善策が決議された。1971年の国際無線通信諮問委員会(CCIR、現ITU-R)の中間会議で、細部の具体策を含めて現行の協定世界時 (UTC) が決定され、1972年に実施された。これにより UTC に閏秒が導入され、UTC は UT1 との差が一定の範囲内なるように国際報時局(BIH、現IERS)で調整・管理される。これ以後は、UT0、UT1、UT2、暦表時 (ET)、国際原子時 (TAI) が UTC を仲介して結ばれる。 1973年にシドニーで開催された国際天文学連合 (IAU) 第15回総会で、協定世界時の管理規則改訂が決議され、UT1-UTC の許容差が ±0.7 秒未満から、±0.950 秒(DUT1の最大値を0.9秒にとどめるため)に拡大すること、また、閏秒の実施時期を追加することが勧告された。その後、1974年3月に開催された国際無線通信諮問委員会(CCIR、現ITU-R)の会議で UTC の運用規則(現 ITU-R勧告TF.460)が改訂され、UTC-UT1 の絶対値の許容限界を 0.9 秒以内に広げること、また、時刻調整(閏秒)の実施予定日を従来の UTC の6月末および12月末を第一優先とし、さらに3月末および9月末を第二優先として加えることにし、1975年1月1日から、この改訂を実施することになった。
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