半二重通信とレイテンシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 18:30 UTC 版)
「ブロードバンドインターネット接続」の記事における「半二重通信とレイテンシ」の解説
通信には双方向の通信を同時に流すことのできる全二重通信 (Full Duplex) と、単方向の通信しか流すことのできない半二重通信 (Half Duplex) が存在する。 半二重通信では単一周波数を時分割して全二重通信に近づける時分割複信 (TDD・ピンポン伝送) が行われているものの、上り通信と下り通信の切り替えには伝送距離に応じて保護期間(ガードピリオド)を設ける必要があるため、レイテンシのためにピンポン速度を上げるとスループットが低下するというトレードオフ関係にある。 無線伝送では上りと下りの周波数を分離して全二重通信する周波数分割複信 (FDD) よりも単一周波数で半二重通信する時分割複信 (TDD) の方が送受信の電波経路を合わせることができて都合が良いため、特に回り込みの少ない高い周波数帯においてTDDが多用されている。なお移動通信では4GのLTE Advancedの3GPP Release 12以降、TDDをFDDと組み合わせたキャリアアグリゲーション(LTE TDD-FDD CA)が登場しており、半二重通信のレイテンシの問題は緩和されている。 また2022年現在、無線伝送においても自己干渉除去によって単一周波数やサブバンド違いの周波数で全二重通信を行う単一周波数全二重通信 (SFFD) やサブバンド全二重通信 (SBFD) のような技術が開発中となっている(5G-Advanced の SBFDなど)。 方式TCM-ISDNEuro-ISDNADSLDOCSIS 3.1以前DOCSIS 4.0FTTHFDD-LTE5G NR FDDTD-LTE5G NR TDD5G-Advanced SBFD (予定)伝送路2線式電話線 HFC(光ファイバ/同軸ケーブル併用) 光ファイバ 無線 二重化時分割 単一周波数 周波数分割 単一周波数 周波数分割 周波数分割 時分割 サブバンド フレーム2.5ms 全二重 5ms/10ms ?〜10ms 全二重 再送要求無し 無し 無し 4ms 0.57msなど 4〜13ms ?〜?ms ?
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