化学の基本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 18:45 UTC 版)
ケミカルガーデンの出来具合は、遷移金属の水中での不溶性と、色に依存する。 塩化コバルトなどの金属塩は水に入れると溶ける。塩化コバルトを入れた場合、表面では複分解反応により不溶性のケイ酸コバルトが生成される。このケイ酸コバルトは半透膜として働き、半透膜の内側のケイ酸コバルト溶液のイオン強度が外側を囲むケイ酸ナトリウム溶液のイオン強度より高くなるため、浸透圧効果により内圧が高まる。やがて膜は圧力で破られるが、開いた穴から出た中のコバルトカチオンが外のケイ酸アニオンと続けて反応するため、不溶性固体が続いて生成される。その結果、植物のような結晶が生成される。結晶の色や形は使われた金属塩の種類によって異なる。 上記の場合は固体(結晶)の成長方向が上となっている。上方向になる理由は半透膜の内側にある溶液の密度が外側の水ガラス溶液の密度より低いためである。逆に、膜の内側に高密度の溶液がある場合は成長の方向性が下になる。たとえば、緑色の硫酸クロム(III)または塩化クロム(III)の純粋な溶液を利用する場合、タンクに入れる前に溶液をタール状になるまで煮詰めても、タンクに入れると次第に紫色の形態になり終わるまでは結晶化が始まらない。そこから表面には枝状の突起が出てくるが、水ガラスに浮けないほど密度が高いため成長が下へ伸びる。成長速度もケイ酸ナトリウムの濃度に依存する。
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