動機・背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:56 UTC 版)
本書の冒頭にある序章で、本書執筆の動機・背景が書かれている。それによると、ギリシア人としての強い矜持・愛族心を持ったディオゲネス・ラエルティオスが、「哲学の営みは異民族(バルバロイ)の間で起こった」と主張する人々を反駁すべく、ギリシア哲学の系譜と学説を、詳細に明らかにしようと本書を執筆したことが分かる。 また、プラトンを扱った第3巻において、著者ディオゲネスが「プラトン愛好者のとある人物」に対して「あなたは〜」と語りかける記述があり(47節)、本書がそもそもはその特定人物に献呈される目的で書かれたものであることが暗示されている。エピクロスを扱った最終第10巻でも、同じように「あなたが〜」と言及するくだりがある(29節)。この「あなた」については、プラトンの熱烈な愛好者であったアリアという女性か、皇帝セプティミウス・セウェルスの妃ユリア・ドムナであったという説があるが、真相は定かではない。 また、それぞれの哲学者の項目で、その哲学者を風刺した自作のエピグラム(短詩)を掲載するなど、自己顕示欲も覗かせている。
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