副業禁止の可否
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 07:02 UTC 版)
日本では労働者が勤務時間外に行う副業は禁じられていない。 従来から日本の民間企業では就業規則で従業員の副業について規定しており、自由にしている事例や、許可制や届出制にしている事例もあるが、厳禁にしている事例も多い。副業に厳しい姿勢を見せている会社でも、経営状態が悪化して賃金を引き下げざるをえないような時に、社員の収入低下の対応策として副業規制が緩和されることもある。 裁判所は1982年(昭和57年)の判決で、労働者の副業に関して「本業の遂行に支障が生じるような副業」について会社は制限してよく、会社の秩序を侵害したり対外的信用・体面を傷つける副業事故につながる副業も雇用主は制限してよいとしている。 労働法学者の大内伸哉は通常の労働時間外に「自宅で本を執筆する」「家業があって時々手伝う」「実家が兼業農家で繁盛期には手伝う」といった副業は、副業禁止として規制されるべきものではないとしている。 副業は「一つの会社でずっと働いているよりも視野をひろげることができる」「社員の能力開発につながり、会社の利益につながる」「ある程度の収入を得ることができる安定した副業を持っていることは失業に備えた保険になる」というメリットもある。 従前、厚生労働省が公表していた「モデル就業規則」では副業禁止規定の定めをおいていたが、世論の流れとともに政府は「副業を禁止する必要はない」という認識を持つようになり、2018年1月には厚生労働省の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除された。
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