前烏口骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 22:42 UTC 版)
両生類で現れた広義の「烏口骨」は、肩帯の腹側成分として機能していた。この骨は、後発する系統群である爬虫類(鳥類も含む進化系統)や単弓類(哺乳類を含む進化系統)から見れば「前烏口骨(ぜんうこうこつ[信頼性要検証]、precoracoid )」である。 爬形類が進化してくると、狭義の「烏口骨」、換言すれば、原始的でない真正の「烏口骨」が現れた。要するに、爬形類の進化段階で procoracoid(前方の烏口骨)と coracoid(烏口骨)が出現し、多くの子孫グループはこれを維持し続けている。 爬形類のうち、爬虫綱動物と呼ばれる一大グループは、真正の「烏口骨」を発達させる方向へ進み、爬虫類と呼ばれるグループも、鳥類と呼ばれるグループ(爬虫類の一種である恐竜からの派生グループでありながら、便宜上で別系統のような扱いをされている爬虫類系統の一分類群。)も、この傾向を具えている。 一方、爬虫綱動物と同じく爬形類から進化した別の一大グループ、哺乳類を含む進化系統群である単弓類の場合、いったん獲得した真正の「烏口骨」を進化経緯上のほとんどの時代をよく発達させたまま維持していたが、現生グループの二大勢力である後獣類(有袋類を含む)と真獣類(有胎盤類を含む)が含まれる全獣類(英語版)のグループが進化してきた段階で退化の方向性を示し、全獣類の生き残りである現生哺乳類では(原始的形質を有する原獣類〈単孔類/カモノハシ目〉を例外とするものの)明らかに退化してしまっている。 我々(人類)を含む哺乳類が包括されるグループである単弓類から見た場合、爬虫類のグループ(鳥類を含む)が有する真正の「烏口骨」は、「前烏口骨」ということになる[信頼性要検証]。
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