利用と特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 15:59 UTC 版)
「ガイガー=ミュラー計数管」の記事における「利用と特徴」の解説
GM管は通常は端窓型管と呼ばれる形状である。これは、管の一方の端に放射線が容易に通過できるように窓があることからこう呼ばれる。反対側の端には通常は電気系のコネクターが付いている。 端窓型管にはガラスマントル型と雲母窓型の二種類が存在する。ガラス窓型は、アルファ線がガラス窓を通過できないのでアルファ線は検出できず、ガラス窓で低エネルギーベータ線が遮蔽されるため感度も悪いが、大抵はより安価であることと、ベータ線とX線を検出する用途で使われる。雲母窓型はアルファ線も検出できる上、ベータ線感度もすぐれているが、壊れやすい。 GM管はアルファ線やベータ線などの荷電粒子はほぼ100%検出できるものの、X線、ガンマ線といった電磁放射線に対する計数効率(いわゆる感度)は0.1〜1%にすぎない。これはGM管内のガス密度が低いため、透過力の高いガンマ線は相互作用をしにくいためである。ガンマ線を測定する目的では、NaIシンチレーション検出器の方が適しているが、逆にシンチレーション検出器は窓が厚くベータ線は透過できないので、ベータ線の検出には適していない。またシンチレーション検出器はエネルギーを測定することが可能であり、線量の精密な測定やある程度の核種の分析なども行える。 中性子線はガスを電離しないので、GM管は中性子は検出できない。しかし、管の内側をホウ素でコーティングするか、三フッ化ホウ素もしくはヘリウム-3ガスを充填すれば、中性子線にも反応するGM管を作ることもできる。中性子はホウ素の原子核と反応しアルファ線を生成するか、またはヘリウム-3原子と反応して水素とトリチウムイオンと電子を生成する。そうして、これらの荷電粒子が通常のなだれを発生させる。
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