分類体系に沿って
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 06:33 UTC 版)
生物の分類は、上から決まった段階に別れ、上位の群内には複数の下位群が含まれる枝分かれ的構造を持っている。そこで、この枝分かれにしたがって振り分けるようにするのである。目・科・属とそれぞれに直下の下位群の検索をつけるのが普通であるが、例えば目から属までひとまとめに検索できる表をつけるなどの例もある。属以下の場合も亜属や節が設けられている場合、それに沿って分けて行く。 分類の専門書や専門性の高い目の図鑑ではこの形を取るものが多い。この型の利点は、分類体系に沿った分け方であるために、体系についての見通しがよいことである。問題点はどのような体系にも例外が必ずあることで、そのような種では検索表をたどってたどり着けなくなる恐れがある。また、高次分類群の場合、検索表はほとんど非実用的になりがちである。 例えば、種子植物の目や科を探すための検索表は大変である。さらに琉球植物誌では琉球諸島に分布する維管束植物に対する検索表を載せている。その最初の段階は胞子の発芽のあり方から始まり、これでシダ植物と種子植物に分けているが、これなど実物相手に確認することはまず不可能である。 このような検索表は、知識のあるものは使わないし、全く知らないものには使えない。口さがないものからは、そんなふうに言われることもある。 したがって、一般的な図鑑では、あまり上位の分類群には検索表を置かないのが多く、科や属の段階から各個に検索表をつける。そこまでの判断は絵合わせでやってくれ、と言ったところである。たいていはこれでうまく行くのだが、中にはミゾハコベとミズマツバとスズメノハコベのように、科が全然違うのに外見では似ているものがあり、困らされることがある。
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