分光計としてのシンチレーション検出器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 01:06 UTC 版)
「シンチレーション検出器」の記事における「分光計としてのシンチレーション検出器」の解説
一般にはシンチレータは、高エネルギー放射線の一個の光子を、多数のより低いエネルギーの光子に変換するのだが、低エネルギー領域では、メガ電子ボルト当たりの光子の数はほとんど一定である。したがって蛍光の強度(光子の数)を測定することによって、入射光子のエネルギーを特定することが可能である。 分光計は、シンチレータ、光電子増倍管、パルス電流の計数回路から成る。光電子増倍管によって光のエネルギーは電流に変換され、その波高から蛍光の強度(光子の数)がわかる。横軸にパルス電流の波高、縦軸をパルス数としたグラフをつくれば、放射線のエネルギースペクトルの近似となる。 入射した放射線のエネルギーに相当する光電ピークが現れる一方、これより低エネルギーにもコンプトン散乱による連続スペクトル、エスケープピーク、および後方散乱ピークといった応答を示す。また2つ以上の光子が検知器にほとんど同時に入射する(DAQ(データ収集)の時間分解能以内に蓄積する)場合、最大で2つ以上の光電ピークの合計のエネルギーを持つピークが現われたように見えるため、より高いエネルギーが検知されることがある。
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