凧揚げ合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 11:34 UTC 版)
凧揚げ合戦は、町(自治会)ごとが「組」や「連」というかたちで参加し、それぞれ固有の町紋(凧印)が描かれた大凧を揚げ、組同士で凧糸を切り合って競うものである。凧揚げ合戦は中田島砂丘にある遠州灘海浜公園で行われ、会場は「凧場」と呼ばれている(後述)。 凧印は各町によって異なり、町名の頭文字や町内の伝説に由来する絵柄などがある。 大凧は、主に初節句を迎えた家庭から一面ずつ提供される。この凧には初節供の祝いを迎えた子供の名前と家紋が隅に描かれ、「初凧」(はつだこ)と呼ばれる。近年では少子高齢化をはじめとする時代の変化から長男生誕祝い以外の凧が提供されることもある。これらとは別に、町ごとに各自で凧を持っており、それらは合戦に特化して使用される。 浜松まつりで使用する凧の大きさは、2帖から10帖まである。1帖とは美濃判(9寸×1尺3寸=273mm×393mm)12枚で1.28m2の大きさ。4帖は48枚で2.4m四方、6帖では72枚で2.9m四方。8帖になると96枚貼りでおよそ3.25メートル四方となる。このうち4帖から6帖のものが、最も凧揚げ合戦に適しているといわれている。形は正方形で、骨組みは細かく丈夫に作られ、中心から大きく尾骨が突き出ており、他地方の凧と比べると頑丈で重い。これらの特徴は、凧を揚げることよりも揚がった後の糸切り合戦に重きを置いていることによる。最近では、揚げることのみを目的として軽量化した凧を揚げる組もある。 凧糸は糸切り合戦の際のハンデを無くすため、現在では統一生産となっており浜松まつり会館で購入したもの以外を使用することは出来ない。また凧合戦を有利にするためにガラスを凧糸に吹き付けるなどといった行為も現在では禁止されている。 また、凧場では1つの組が同時に二枚以上の凧を揚げたり、届け出た凧印以外の凧を揚げたりすることは禁じられている。 開催時間は年々徐々に早くなっており、現在は10時(10時30分) - 15時であるが平成22年までは11時 - 15時だった他、平成7年時点では12時 - 16時であった。また、練兵場にて5日間開催だったころには12時 - 18時など、更に遅い時間で開催されていた。
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