再び大学出身者を採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 01:46 UTC 版)
「陸軍経理学校」の記事における「再び大学出身者を採用」の解説
1926年(大正15年)7月、陸軍補充令中改正(勅令第260号)が施行された。この改正によって経理部現役士官の補充は、従来の経理部士官候補者(兵科将校からの転科志願者)、三等主計候補者(准士官、下士からの志願者)に加え、陸軍部外から直接見習主計を採用し二等主計とすることが定められた。見習主計の有資格者は次のとおりである。 大学令による大学の法・経済・商学部学生のうち陸軍経理部委託学生となり、当該学部の学課を修めた学士。 大学令による大学の法・経済・商学部の学課を修めた学士。 上記いずれかの条件を満たし、年齢20歳以上、35歳未満の志願者を身体検査ののち(学科試験は行わない)採用の可否を決定する。採用された見習主計は一等計手の階級で師団司令部所在地の歩兵連隊に配賦され、約2か月所属連隊と当該師団経理部で経理部士官の勤務を修得し、銓衡会議で可決されると二等主計に任じられる。 陸軍部外から大学卒業者を経理部士官に補充するこの新制度は、将来の高級経理官となる人材を求め1902年より短期間実施されていた監督候補生制度と同じ性格のものである。見習主計の採用は年に数名程度の予定であった。 同年11月、陸軍経理学校令中改正(勅令第336号)が施行された。 改正による陸軍経理学校の被教育者は次のとおり(1926年11月時点)。 甲種学生 経理部に必要な高等の学術を修得する。 (イ) 一等または二等主計のうち身体強健、勤務精励、志操確実、将来発達の見込みありと認められ検定試験に合格した者。 (ロ) 経理部士官候補者のうち陸軍大学校を卒業した者。 (ハ) 陸軍参謀条例第3条第2号に該当する者。修業期間は約2年。ただし前記 (ロ) および (ハ) の条件に該当する者は陸軍大臣の定めるところにより必要に応じ短縮が可能。 乙種学生 経理部士官に必要な高等の学術を修得する。 陸軍補充令第23条の規定に基づき任官した二等主計。修業期間は約8か月。 丙種学生 経理部士官に必要な学術を修得する。 経理部士官候補者(甲種学生となる者を除く)。修業期間は約1年。 丁種学生 経理部士官に必要な学術を修得する。 三等主計候補者。修業期間は約1年。 甲種学生のうち「陸軍参謀条例第3条第2号に該当する者」とは「学識、才能、卓越せる将校にして参謀総長の適任と認むる者」である。成績優秀な甲種学生は卒業の際に員外学生としてさらに1年間在学するか、大学令による大学で必要な研究を続行することが可能とされた。 乙種学生の「陸軍補充令第23条の規定に基づき任官した二等主計」とは、上述した大学卒業者から直接に見習主計に採用され二等主計となった者のことである。大学出身の経理官は軍人らしさがなく異色の存在だったが、後年の戦争が総力戦になると法律や経済の知識も必要とされ、陸軍部外との連携においても大学出身者の活躍の場が多くなった。
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