円の方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 09:37 UTC 版)
解析幾何学において、(a, b) を中心とする半径 r の円は ( x − a ) 2 + ( y − b ) 2 = r 2 {\displaystyle (x-a)^{2}+(y-b)^{2}=r^{2}} を満たす点 (x, y) 全体の軌跡である。この方程式を、円の方程式と言う。これは、中心 (a, b) と円上の任意の点 (x, y) との二点間の距離が r であるということを述べたものに他ならず、半径を斜辺とする直角三角形にピタゴラスの定理を適用しすることで導出できる(直角を挟む二辺は、各座標の絶対差 |x − a|, |y − b| を長さとする)。 中心を原点に取れば、方程式は x 2 + y 2 = r 2 {\textstyle x^{2}+y^{2}=r^{2}} と簡単になる。 α, β, γ, δ は実数で α ≠ 0 なるものとし、 a := − β α , b := − γ α , ρ := β 2 + γ 2 − α δ α 2 {\displaystyle a:={\frac {-\beta }{\alpha }},\quad b:={\frac {-\gamma }{\alpha }},\quad \rho :={\frac {\beta ^{2}+\gamma ^{2}-\alpha \delta }{\alpha ^{2}}}} と書けば、上記の方程式は f ( x , y ) := α ( x 2 + y 2 ) + 2 ( β x + γ y ) + δ = 0 {\displaystyle f(x,y):=\alpha (x^{2}+y^{2})+2(\beta x+\gamma y)+\delta =0} の形になる。この形(x2, y2 の係数が等しく、xy の項を持たない)の方程式が与えられたとき、以下の何れか一つのみが成り立つ: ρ < 0 のときは、この方程式に解となる実点は存在しない。この場合を虚円 (imaginary circle) の方程式と呼ぶ。 ρ = 0 のとき、方程式 f(x, y) = 0 は中心となる一点 O ≔ (a, b) のみを解とし、点円 (point circle) の方程式と言う。 ρ > 0 のときには、f(x, y) = 0 は O を中心とする半径 r ≔ √ρ の円(あるいは実円 (real circle))の方程式になる。 α = 0 のとき f(x, y) = 0 は直線の方程式であり、a, b, ρ は(射影平面上で、あるいは見かけ上)無限大になる。実は、直線を「無限遠点を中心とする半径無限大の円」と考えることができる(一般化された円(英語版) の項を参照)。
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