内輪の冗談
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 08:13 UTC 版)
ワイルドが「アーネスト」という名前を用いたのは、ことによると内輪の冗談かもしれない。ジョン・ギャンブリル・ニコルソンによる詩『少年の名』(『アーネストへの愛:ソネット及びバラード、叙情詩集』、1892年)は、以下の数行を含んでいる。「フランクは銀の鈴のごときに鳴り、セシルは優しき音楽なれど、それらは奇跡を起こさじ――我が心を燃え上がらすはアーネストなり」。この詩はジョン・アディントン・シモンズとニコルソンにより投稿され、ワイルドは「ザ・カメレオン」誌の同じ号に寄稿していた.。テオ・アロンソンは「earnest」という単語が「Is he earnest?(彼は熱をあげているのか?)」のような同性愛を表す隠語であった事を提言している。「Is he so?」や「Is he musical?」も同様の意味に使われる。 二重生活や欠席の口実の意味で使われる「bunbury」や「bunburying」という単語は、アレイスター・クロウリーがドナルド・シンデン卿に宛てた手紙によれば、ワイルドがバンベリーで乗り込んだ列車で男子学生に出会った事に由来する内輪の冗談であった。ワイルドと男子学生は会話に没頭し、サンベリーで再開する約束を交わした。 これらの単語は上のような軽い内輪の冗談であったかもしれなかったが、1940年代にドナルド・シンデン卿はこの演劇の初演の関係者である、グウェンドレン役のアイリーン・バンブルーや、アルジー役のアラン・エインスウォース、そしてアルフレッド・ダグラス卿と会見し、タイムズ誌において、これらの単語に何らかの性的な意味が含まれていることや、また「セシリー」が売春少年の同義語であったことに疑いを差し挟んでいる。「彼らには充分な機会があったにも関わらず、アーネストが同性愛の同義語であることや、『バンブリーする』ことに同性愛者の性交の意味が含まれているという、いかなるほのめかしさえ最後まで行わなかった。1980年代にこれについての言及を初めて聞いた私は、すぐに同劇における伝説的なジョン・ワージング役の演技で知られ、演劇に関する伝説について百科事典的な知識を持つジョン・ギールグッド卿に問い合わせてみた。彼はあの名調子で返答した。『いやいや! ナンセンス、まったくのナンセンスだよ』」。
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