内部Hom関手
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 02:21 UTC 版)
圏 C 上の関手が、Set ではなく圏 C 自身に値を持ち、Hom のような振る舞いをする関手を持っているかもしれない。そのような関手は内部Hom関手と呼ばれ、しばしば [ _ , _ ] : C o p × C → C {\displaystyle \left[\_,\_\right]:C^{\mathrm {op} }\times C\to C} と書かれたり、 ⇒ : C o p × C → C {\displaystyle {\mathord {\Rightarrow }}:C^{\mathrm {op} }\times C\to C} と書かれたりする。あるいは、単に小文字のみで hom ( _ , _ ) : C op × C → C {\displaystyle {\text{hom}}(\_,\_):C^{\text{op}}\times C\to C} と書かれることもある。例としてはen:Category of relationsなどを参照。内部Hom関手を持つ圏は、閉圏(英語版)と呼ばれる。 閉圏の単位対象を I とする。このとき、次の同型が成り立つ。 Hom ( I , hom ( − , − ) ) ≃ Hom ( − , − ) {\displaystyle {\text{Hom}}(I,{\text{hom}}(-,-))\simeq {\text{Hom}}(-,-)} 閉モノイダル圏の場合には、これはカリー化の概念へ拡張される。すなわち、 Hom ( X , Y ⇒ Z ) ≃ Hom ( X ⊗ Y , Z ) {\displaystyle {\text{Hom}}(X,Y\Rightarrow Z)\simeq {\text{Hom}}(X\otimes Y,Z)} である。ここで ⊗ {\displaystyle \otimes } はモノイダル圏の定義によって与えられる内部積関手である。同型は X と Z の双方で自然である。言い換えると、閉モノイダル圏では、内部Hom関手は内部積関手の随伴関手である。対象 Y ⇒ Z {\displaystyle Y\Rightarrow Z} を内部Homと呼ぶ。 ⊗ {\displaystyle \otimes } がデカルト積 × {\displaystyle \times } であるとき、対象 Y ⇒ Z {\displaystyle Y\Rightarrow Z} を指数対象と呼び、 Z Y {\displaystyle Z^{Y}} と書くこともある。 内部Homは、圏の内部言語(英語版)と呼ばれる言語を形成する。最も有名なものには、デカルト閉圏の内部言語である単純型付きラムダ計算や、対称モノイダル閉圏の内部言語である線形型システム(英語版)がある。
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