内分泌軸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 10:20 UTC 版)
内分泌器系は個々の内分泌器がばらばらに活動しているのではなく、外部刺激や環境変化などへの適応・恒常性維持などを目的として複数の内分泌器が負のフィードバックによる制御機構をもつまとまりのある活動をしている。そこで、いくつかの内分泌器、ホルモンや機能に注目し、協働して活動している内分泌器をひとつの系とみなして、これを内分泌軸と呼ぶ。もちろん、実際の相互作用はこれほど単純ではなく複雑なネットワークを構成している。主な内分泌軸を以下の表に示す。 軸構成ホルモン主な機能視床下部-下垂体-副腎系HPA軸(英) 視床下部 CRH : 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン 感染炎症→免疫抑制体浸透圧調整サーカディアンリズム精神的ストレスへの適応 下垂体 ACTH : 副腎皮質刺激ホルモン 副腎 副腎皮質ホルモン:コルチゾール、アルドステロン 視床下部-下垂体-性腺系HPG軸(英) 視床下部 GnRH : 性腺刺激ホルモン放出ホルモン 生殖 下垂体 LH : 黄体形成ホルモンFSH : 卵胞刺激ホルモン 性腺精巣、卵巣 テストステロンエストラジオールプロゲステロン 視床下部-下垂体- 甲状腺系HPT軸(英) 視床下部 TRH : 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン 基礎代謝量の調節 (例: 飢餓状態→代謝低下)体温恒常性維持 (例: 季節に伴う毛変わり) 下垂体 TSH : 甲状腺刺激ホルモン 甲状腺 甲状腺ホルモン 視床下部-下垂体- 成長系 視床下部 GHRH : 成長ホルモン放出ホルモンSST: ソマトスタチン 成長 下垂体 GH : 成長ホルモン 末梢組織:肝臓、胃、骨、脂肪組織等 肝臓: インスリン様成長因子胃: グレリン脂肪組織: レプチン 視床下部-下垂体- プロラクチン系 視床下部 DA : ドーパミンTRH: 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン 泌乳 下垂体 PRL : プロラクチンオキシトシン 末梢組織乳腺、生殖腺等 -
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