公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の漁業秩序の構築に関する取決めとは? わかりやすく解説

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にったい‐ぎょぎょうきょうてい〔‐ギヨゲフケフテイ〕【日台漁業協定】

読み方:にったいぎょぎょうきょうてい

《「公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の漁業秩序の構築に関する取決め」の通称尖閣諸島周辺海域における日本台湾漁業権について定めた二国間取り決め日本排他的経済水域での台湾漁船操業認めたが、漁獲量漁船数など具体的な操業ルール未定平成25年2013締結日台民間漁業取決め


日台漁業取り決め

(公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の漁業秩序の構築に関する取決め から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/15 01:16 UTC 版)

公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の漁業秩序の構築に関する取決め
通称・略称 日台漁業取り決め
署名 2013年4月10日
署名場所 中華民国 台北市
捺印 大橋光夫公益財団法人交流協会会長)
廖了以亜東関係協会会長)
発効 2013年4月10日(第5条)
締約国 日本
中華民国
言語 日本語
中国語
主な内容 排他的経済水域の海洋生物資源の保存及び合理的な利用並びに操業秩序の維持を図ること(第1条)
条文リンク [1]
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日台漁業取り決め(にったいぎょぎょうとりきめ)は、日本中華民国間における、台湾および沖縄周辺海域での漁業秩序に関する取り決めのこと。日台漁業協定日台民間漁業取り決めとも。

概要

日本は1996年6月の国連海洋法条約の批准に伴い、周辺国と排他的経済水域における境界線策定など、漁業における協議を行い運営上の協定を結ぶ必要が生まれた。

中華民国(以下、台湾)とも、台湾および沖縄周辺海域における漁業問題や海域秩序を話し合うため、双方は1996年以降漁業協議を計16回開催していた[1]2012年に当時の玄葉光一郎外務大臣は、日本と台湾の密接な経済関係を訴えると同時に、日台民間投資取決め[2]オープンスカイ協定など、日台間の実務協議が発展していることからさらなる関係発展を期待し、「日台漁業協議」の再開を3年9か月ぶりに提案[3]、これには尖閣諸島国有化中華人民共和国とともに抗議する台湾の漁船や巡視船が領海侵入して日本と熾烈な放水戦[4][5]を行うなど日台関係が緊張していたことに対して日本側の「中国と台湾の連携に楔を打ちたい」という思惑があった。この協議は、同年年末に成立した第2次安倍内閣においても開催され、台湾側も漁業関係者からの漁労要求に対処する必要性を認識していた馬英九総統の外交路線があって、双方は急いで歩み寄り漁業操業範囲の策定に動いた。

2013年4月10日、財団法人交流協会大橋光夫会長と亜東関係協会廖了以会長は、台北市において「日台漁業取り決め」の署名。5月10日に漁獲高など、操業ルールが策定されないまま発効した。

名称

民間による二国間の取り決めの形を取り日台漁業取り決めとなった[6]日台漁業協定と報道されることがあるが、両国政府が協議や準備に関与はしているものの、日本と台湾(中華民国)の間には政治的外交関係がない為に政府間協定の形を採らず、実際の取り決め文書締結に当たって日本側は財団法人交流協会、中華民国側は亜東関係協会という、交流窓口団体による署名となった。

漁業操業範囲

日台漁業取り決めでの漁業水域

台湾は従来、尖閣諸島を含む日本側の排他的経済水域に食い込む範囲である「暫定執法線」を台湾側の操業範囲として主張していたが、2004年9月の協議で日本は、この暫定執法線について、一方的な措置であるとして認められないとしていた。このため日本は、日本の排他的経済水域に進入する台湾漁船を海上保安庁が水域外へ追い返しており、日台間漁業関係者の関係がギクシャクし、漁業協議は事実上停止状態が続いていた。2013年の協議ではこれに代わるものとして、緯度経度の視点による漁業水域の策定がおこなわれ、最終的に取り決め文書への署名に至った。

水域は北緯27度より南側に定められ、漁業操業に関して日本と台湾の漁船が同水域に乗り入れる。なお魚釣島をはじめとする尖閣諸島周辺の日本の領海は、この取り決めの漁業域に含まれていない。日本の水産庁は、法令適用除外となる水域のルール順守に向けて、沖縄県石垣市に漁業取締船を配備したいとの意向を示している[7]

なお、北緯27度より北側には、日本と中華人民共和国のあいだの日中漁業協定の協議で定められた「日中暫定措置水域」が隣接している。

発効後の台湾漁船の拿捕

台湾漁船は日本の排他的経済水域での違法操業で、過去毎年のように拿捕されて来ていた[8]

取り決め発効後も、沖縄県八重山郡竹富町波照間島灯台の東、与那国町西埼灯台の西南西、など取り決め水域から離れた場所での拿捕が続いている[8]

脚注

  1. ^ 日台漁業取り決めとは 産経ニュース 2013年4月10日
  2. ^ 「投資の自由化、促進及び保護に関する相互協力のための財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め」(略称「日台民間投資取決め」)について 公益財団法人交流協会 2011年9月22日
  3. ^ 最近の日台関係と台湾情勢 外務省アジア大洋州局 2012年12月
  4. ^ “海保、台湾巡視船の放水に抗議 領海侵入は12隻”. デイリー・テレグラフ. (2012年9月25日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2503A_V20C12A9000000/ 2018年3月25日閲覧。 
  5. ^ 「台湾船の領海侵入、馬総統が絶賛」読売新聞 2012年9月26日
  6. ^ 「協定」か、「取り決め」か 「中国圧力外交が促した日台漁業取り決め署名」 JB PRESS 2013年4月12日
  7. ^ 石垣に取締船常駐 日台漁業協定で水産庁説明 沖縄タイムス 2013年4月13日
  8. ^ a b 台湾はえ縄漁船の拿捕について 水産庁 プレスリリース 2013年5月29日

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