光音響イメージングとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 光音響イメージングの意味・解説 

ひかりおんきょう‐イメージング〔ひかりオンキヤウ‐〕【光音響イメージング】

読み方:ひかりおんきょういめーじんぐ

光超音波イメージング


光音響イメージング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/22 06:05 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

光音響イメージング(ひかりおんきょうイメージング、Photoacoustic Imaging:PAI)とは、光音響効果を利用した画像化の手法。

概要

光エネルギーを吸収した分子を放出し、その熱による体積膨張により音響波(疎密波)を発生する現象は1880年に、グラハム・ベルによって発見された[1]

1990年代頃より光と生体の相互作用に関する研究から始まり、高輝度のパルスレーザー技術と超音波検出技術の発展によって90年代半ば以降、生体の断層イメージングの研究が米国・欧州を中心に盛んになり、2010年以降、光音響技術が生体を対象としたイメージング技術の手法として確立しつつある[2]

イメージングにはヘモグロビンの吸収領域(400~700nm)と水の吸収領域(0.9~400μm)の中間の波長を持ち、「生体の窓」とも呼ばれる生体を透過しやすい700~900nmの近赤外光が使用される[3]

近赤外光を吸収して熱に変換する作用である光音響効果が強く、抗体などを利用して目的の部位に集積させることでPAI信号が増強されて周囲とのコントラストが増す金ナノ粒子、単層カーボンナノチューブ (SWNT)、インドシアニングリーン、メチレンブルーのような造影剤を体内に投与する必要がある[3]

光源には従来、強力なパルス光を生成するレーザーが不可欠であると考えられていたが、近年では発光ダイオードでの光音響波の生成が確認されている[4]

原理

光音響波は,生体の軟組織中では水中と同じ約1500m/sで伝搬するので検査対象にレーザーを照射して生じた光音響波の伝搬時間から光吸収体の位置情報が得られ、信号強度を元に算出された吸収量に関する情報を用いて断層画像を再構築する[1][5][6]。光と生体の相互作用を画像化する技術の1つで、散乱係数が光と比較して2、3桁小さい超音波を検出信号とするので光イメージングにおける光散乱に起因する分解能および感度の悪化が生じないので高コントラストで超音波検査装置に匹敵する分解能でcmレベルの深さの断層画像が取得可能とされる[1][2]。光の波長パラメータを適当に設定することで選択的に励起できる[1]蛍光色素分子、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、炭素ベースの化合物が造影剤として使用される[7]

用途

脚注

参考文献

関連項目


光音響イメージング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/29 04:27 UTC 版)

光音響効果」の記事における「光音響イメージング」の解説

詳細は「光音響イメージング」を参照 光音響波は,生体の軟組織中では水中と同じ約1500m/sで伝搬するので検査対象レーザー照射して生じた音響波伝搬時間から光吸収体の位置情報得られ信号強度元に算出され吸収に関する情報用いて断層画像再構築する。光と生体の相互作用画像化する技術1つで、散乱係数が光と比較して2、3小さ超音波検出信号とするので光イメージングにおける光散乱起因する分解能および感度悪化生じないので高コントラスト超音波検査装置匹敵する分解能cmレベル深さ断層画像取得可能とされる。光の波長パラメータ適当に設定することで選択的に励起できる。蛍光色素分子、金ナノ粒子銀ナノ粒子炭素ベース化合物造影剤として使用される

※この「光音響イメージング」の解説は、「光音響効果」の解説の一部です。
「光音響イメージング」を含む「光音響効果」の記事については、「光音響効果」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「光音響イメージング」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「光音響イメージング」の関連用語

光音響イメージングのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



光音響イメージングのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの光音響イメージング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの光音響効果 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS