先古典期のチャパ・デ・コルソ
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「チャパ・デ・コルソ」の記事における「先古典期のチャパ・デ・コルソ」の解説
チャパ・デ・コルソでみられる巨大な土のマウンドと中庭は先古典期中期のチャパIII期、紀元前700年ないし同600年頃から築かれ始めた。建造物7-Eの粘土の床に掘り込んだこの時期独特の墓から出土した土器はよく磨かれた赤、黒、褐色がかった白色の単色土器でろうのようなにぶい光沢をもつ。建造物7-Eは粘土をつき堅めた高さ6mの建物でのちに基壇13号に覆われるようになる。この時期からチャパ・デ・コルソに首長制国家が形成されはじめたと考えられる。 先古典期後期のチャパIV期(紀元前400年前後)には化粧漆喰の建造物が現れる。土器の器形は多様化して円筒形の印章も出現する。埋葬74号からは、この時期から出現する化粧漆喰を施した土器に共伴して貝製の羽毛のヘビが刻まれた耳飾りも出土している。チャパIV期の年代はマウンド1号の炭化物の放射性炭素年代から564±B.C.から424±60B.C.頃と考えられる。チャパV期(紀元前200年前後)になると土器には胴部の中央部ないし口縁部に鍔を持つ鉢や皿が特徴で赤と黒に彩色され磨かれている。トウモロコシの穂のように尖って内部が空洞な四脚土器もまれに出土する。赤地にクリーム色の二彩土器もみられ内面にも外面にもさまざまな曲線文様が施された器面がよく磨かれた鉢が典型的なものである。香炉につかわれたと考えられる内側に突起をもち黒く塗色された鉢がわずかながら出土する。この器はチャパV期の間に発展し普遍的なものとなる。チャパV期の土器はカンペチェ州やマヤ低地でみられるチカネル期の土器と非常によく似ており直接的な関係がうかがわれる。またグアテマラ高地からの強烈な影響のもとに永続的で洗練された地域スタイルとして形成されたと考えられる。チャパV期の年代はマウンド1号のチャパV期の廃棄された層の上に倒れた建物の炭化した柱のサンプルから得られた放射性炭素年代から210±30B.C.前後と考えられる。
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