停車状態での暖機運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/01 21:00 UTC 版)
一般に日本においては、単に「暖機運転」というと、こちらの方法を指す事が多い。エンジンを始動した後、停車したままアイドリング程度の回転数を維持し、エンジン各部が適度な温度に達するまで待つという方法である。エンジン各部が適度な温度に達したかどうかは、エンジンオイルの温度(油温)や冷却水の温度(水温)の変化、あるいはアイドリング時のエンジン回転数の変化、などを参考に判断する。しかし近年では環境問題から不要な排気ガスの排出を抑えるため、停車状態の暖機運転よりも低負荷や回転数を抑えた走行による走行暖機が推奨される。 また、特に二輪車はエンジンを発電機のように使う事もある四輪とは違い、停止状態で長時間アイドリングを続けられるようには設計されていない[要出典]ので注意が必要である。後述する走行しながらの暖機運転が好ましいが、まだ一般には十分に浸透していないのが現状である。 ただし、中型以上のトラック・バスのような空気ブレーキ採用車では、ブレーキ空気圧を確保するための暖機運転が必要である。取扱説明書では毎朝運行前にエア・タンクの弁を開放して空気をすべて排出してからエンジンを始動し、空気圧の上昇具合が正常か確認するように定めているので、取扱説明書に従って扱うかぎり、毎朝10分以上の暖機運転が必要である。エア・タンクの空気圧が上昇する前に仮に走行を開始すると、ブレーキが利かずきわめて危険だが、近年の大型自動車は、駐車ブレーキを空気圧で解除する構造(ホイールパーク)なので、空気圧が不足した状態では駐車ブレーキを解除する動力がなく、走行を開始すること自体ができない。始業点検時にエア・タンクの空気を抜かず、前日の空気の残りで走行を開始すれば暖機運転を省略できるが、エア・ブレーキ系統の点検を省略しているわけなので、危険である。
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