信仰と儀式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 07:56 UTC 版)
多くのインディアン部族と同じく、バッファローの狩りの成功や、その到来を願う「バッファローの踊り」を盛んに行った。これは数人の戦士がバッファローの頭付きの毛皮を被って勇壮に踊るものである。 「かつて世界は水没していた」という神話を持ち、水の精霊を中心にした自然回復祈願の儀式、「オーキーパの儀式」で知られる。これは平原部族の「サンダンス」の元祖である。20世紀になると、すべての信仰に加え、ことにオーキーパは野蛮な儀式として白人に徹底的に弾圧され、1889年に中断して以来、近年に至るまで再開されることがなかった。 「オーキーパ」は、4日間、戦士たちがほぼ飲まず食わずで行うもので、まず「バッファローの踊り」が行われ、そのあと左図の苦行が行われる。これは身体に鷲の爪を刺し、バッファローの革紐を繋ぎ、アース・ロッジの中に吊るされるというもの。彼らは苦痛に耐えることで大聖霊に肉体を捧げ、「大自然が回復し、コーンやバッファローなどの、さらなる恵みを得られるように」と祈るのである。彼らの身体にはバッファローの頭蓋骨の重りが結び付けられ、さらに他の戦士によって引っ張られ、肉が引きちぎれるまでこの苦行は続く。 下に落ちた戦士たちは、呪い師によって、手斧で小指を切り落とされる。この後、屋外でバッファローの頭蓋骨を同じく鷲の爪や串を刺して背中に繋ぎ、背中の肉が千切れるまで走りまわる。こちらはスー族が採り入れ、現在も盛んに行っているサンダンスの儀式のひとつとなっている。さらに、「ビーバー」や「夜」、「月」などの象徴に扮した戦士たちの踊りが盛大に執り行われる。画家のジョージ・カトリンがこのオーキーパの儀式を報告した際、東部の白人社会はこれを気味の悪い悪夢だとして信じなかった。この儀式は文献などでしばしば「若い戦士たちの勇気や男振りを示すものである」と説明されるが、これは間違いである。上記したように、この苦行は自らの肉体の痛みを捧げることによって、大聖霊に恵みを乞うものである。
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