保険医療機関の責務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/15 07:07 UTC 版)
保険医療機関は、懇切丁寧に療養の給付を担当しなければならない。保険医療機関が担当する療養の給付は、患者の療養上妥当適切なものでなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条)。 保険医療機関は、その担当した療養の給付に係る患者の疾病又は負傷に関し、他の保険医療機関から照会があった場合には、これに適切に対応しなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の2)。 保険医療機関は、その担当する療養の給付に関し、厚生労働大臣又は地方厚生局長若しくは地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続及び療養の給付に関する費用の請求に係る手続を適正に行わなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の3)。 保険医療機関は、患者に対して、受領する費用の額に応じて当該保険医療機関が行う収益業務に係る物品の対価の額の値引きをすることその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益の提供により、当該患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない。保険医療機関は、事業者又はその従業員に対して、患者を紹介する対価として金品を提供することその他の健康保険事業の健全な運営を損なうおそれのある経済上の利益を提供することにより、患者が自己の保険医療機関において診療を受けるように誘引してはならない(経済上の利益の提供による誘引の禁止。保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の4の2)。 保険医療機関は、当該保険医療機関において保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行ってはならない。保険医療機関は、保険医の行う処方せんの交付に関し、患者に対して特定の保険薬局において調剤を受けるべき旨の指示等を行うことの対償として、保険薬局から金品その他の財産上の利益を収受してはならない(特定の保険薬局への誘導の禁止。保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の5)。 保険医療機関は、その病院若しくは診療所の見やすい箇所に、保険医療機関である旨を標示しなければならない(保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令第7条)。保険医療機関は、その病院又は診療所の病棟等の見やすい場所に、食事療養、生活療養、評価療養、患者申出療養又は選定療養の内容及び費用に関する事項のほか、別に厚生労働大臣が定める事項を掲示しなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第2条の6)。 保険医療機関は、患者から保険給付を受けるために必要な保険医療機関又は保険医の証明書、意見書等の交付を求められたときは、無償で交付しなければならない。ただし、療養費(柔道整復を除く施術に係るものに限る。)、傷病手当金、出産育児一時金、出産手当金又は家族出産育児一時金に係る証明書又は意見書については、この限りでない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第6条)。 保険医療機関は、診療録に療養の給付の担当に関し必要な事項を記載し、これを他の診療録と区別して整備しなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第8条)。保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間、患者の診療録をその完結の日から5年間保存しなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第9条)。
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