俚奏楽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/01 14:54 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動俚奏楽(りそうがく)は昭和期に成立した三味線を主体とした新邦楽の一種である。
解説
民謡・端唄の三味線演奏家本條秀太郎が1971年に日本音楽の新しい流れとして創始した三味線音楽の一種である。
本條が主宰する本條流の流儀曲として成立したため、本條一門とそれに関連する演奏家のみが演奏活動を行なっており、活動の幅は広いとは言えない。
『俚』と云う文字は「都」に対する「鄙」を指し、かつて民謡が『俚謡』と呼ばれていたことに基づき 三味線音楽の源流をたずね、その役割を実践的に発展させ現代的解釈と創造を加え、消えてしまいそうな民謡曲を作品の中に発展した形で継承していくことを目的としている。
題材としては全国各地の民謡が多く、その他江戸風俗や琉球音楽を題材にしたものもある。
当初は演奏曲としての色が強かったが、近年は舞踊曲としても採用され、花柳流・藤間流・西川流などの古典舞踊の流儀の舞踊会でも踊られるようになった。そのため古典的・情緒的な色合いが強くなり、本来の特色であった民族性は薄れつつある。
また、作詞こそ多くの作家に依頼しているものの、作曲は全て本條自身が行なっているため作風の偏りが見られる。門弟をはじめとする演奏家にも作曲の機会を与えることで、新たに展開し、次世代への継承がなされるとの意見もある。
演奏家は本條自身と門弟が務めるが、三味線方は本條姓を名乗るのに対して、唄方は俚奏姓を名乗っている。
代表的な曲
- 雪の山中(1969)
- 寿吉原俄
- みちのく三番叟
- 俊寛(1997) (財)日本舞踊財団派遣事業 日本舞踊アメリカ公演にて初演。2000年 ドイツ公演。
関連項目
外部リンク
俚奏楽(りそうがく)
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俚奏楽とは、三味線音楽の源流をたずね、近世歌謡に影響を与えた三味線の役割を実践的に発展させ、現代的解釈と創造を加えた独自のジャンルです。 「伝承」という三味線音楽のひとつの枠から離れて、三味線歌謡成立期に民衆が持っていたであろうエネルギーやバイタリティを取り戻し、活力溢れる瑞々しい音楽を求めていきます。 そのためには、民族歌謡を過去の遺産としてとらえるだけではなく、現代に、また未来に生きる日本人の「こころ」の表出にまで高め、日本人の素朴な心暖まる抒情を一つのモティーフとし、自然に密着したリズム感と様式にこだわらない自由な音楽を創造することが必要であると考えます。 音楽の持つあらゆる表現と技法を駆使し、三味線音楽を中心とした日本音楽の奥底に流れる普遍的な日本人の心をとらえて、民族音楽としての日本歌謡の新たな創造を目指す———それが「俚奏楽」なのです。
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