使用・施工上の注意点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/19 05:33 UTC 版)
カラー鋼板であっても錆の発生を完全に防ぐことはできないので、水がかかったり、結露が起こらないような環境で保管することが望ましい。また、概ね6ヶ月を超える長期間の保管は徐々に塗膜の性質が変化するので、避けるべきである。また、表面塗膜に疵がつくと、そこから劣化が進行しやすくなるほか、美観上も問題になるので、輸送や加工にあたっては一定の配慮が必要になる。 カラー鋼板の加工性は、原板の性質と表面塗膜の性質の両面で規定されるが、概ね良好である。ただ、(曲げ半径が板厚の2ないし3倍以下)極端な曲げ加工や絞り加工がある場合は、表面塗膜がひび割れたり剥離することがあるため、そういう加工が必要とされる場合は、事前に製造メーカーに確認する必要がある。 約5℃以下での加工は、塗膜のひび割れがおきやすいため、避けるべき(使用自体は北海道内陸部のような寒冷地でもまったく問題ない)。常時100℃を超えるような環境での使用も、塗膜が変性してしまう。はんだ付けが必要な場合は、接合部の塗膜を除去する必要があるが、剥離材を使用するよりサンドペーパーで塗膜を落とした方が、比較的良好な結果になる。また、フラックスは腐食を進行させるため、作業後に十分洗浄する必要がある。 建築材料として施工する場合は、もらい錆や異種金属との接触に十分注意する必要がある。モルタルや防腐防蟻処理した木材は、腐食を促進するため、直接接触させてはならない。施工後は、汚れが付着したままだと劣化が進行しやすいので、汚れの残りやすい部位(軒下など)は半年に1回程度水で洗浄することで、寿命が向上する。 カラー鋼板を製造する際の色調管理は想像以上に難しく、同じメーカーの同じ色であっても、製造するタイミングが異なれば微妙に異なっている。このため、異なる製造タイミングの鋼板を張り合わせたとき、継ぎ目で色調が違うとクレームになることがある。比較的広い屋根や壁に施工するときは、事前に流通業者に相談して、同一タイミングで製造した鋼板を用意することが望ましい。工場や体育館など、大規模な建築物の屋根などに用いる時は、物件ものなどと称して、それ単独で製造して、色調のぶれを最小限に抑えるなどしている。
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