作曲作品とその評価
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「チャールズ・マーティン・レフラー」の記事における「作曲作品とその評価」の解説
レフラーは好みにうるさい作曲家であり、ゆっくりと作曲したため寡作家であった。チェロ協奏曲など、紛失(もしくは破棄)した作品も少なくない。 擬古典的なニューイングランド楽派の作曲家の中にあって、どちらかといえば急進的な交響詩の作曲家として名を揚げており、メーテルランクに基づく《タンタジルの死》(仏語:La Mort de Tintagiles)、ヴェルレーヌによる《優しき歌》(La Bonne Chanson)、ウェルギリウスの詩による《異教徒の詩》(Poème païen)、《子ども時代の想い出(ロシアの村の日常)》(英語:Memories of My Childhood (Life in a Russian Village))といった管弦楽曲を残している。このほかに、イェイツの詩集に基づく連作歌曲集《5つのアイルランドの幻影》(Five Irish Fantasies)(管弦楽伴奏版の題名。原曲のピアノ伴奏版は《葦原をぬける風》(The Wind among the Reeds))がある。 これらの作品は、フランス印象主義音楽や、スクリャービン流のロシア象徴主義音楽と共通する音楽語法が取られ、拡張された調性と半音階技法、自由奔放な和声法、旋法的な傾向が顕著である。一方で、《弦楽五重奏曲》や《弦楽四重奏曲(Music for Four Stringed Instruments)》、オーボエとヴィオラ、ピアノのための《2つの狂詩曲》のような室内楽曲は、むしろドイツ盛期ロマン派音楽の手堅い伝統に則っている。宗教曲《詩篇 第137番「バビロンの河のほとりに」(Psalm CXXXVII "By the rivers of Babylon")》もロマン派音楽の伝統に立脚しているが、淀みなく流れる美しい旋律ゆえに再評価に値しよう。 ほかに、フォーレやドビュッシーに影響されたフランス語の芸術歌曲も数多く手懸けた。
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