作品誕生のいきさつ
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「ゲームセンターあらし」の記事における「作品誕生のいきさつ」の解説
最初にすがやみつるが『あらし』を描いたのは、1978年の『コロコロコミック』9号 で、TVゲームの『ブロックくずし』を題材にした漫画を編集部が企画した時、アマチュア無線やマイコンをやっていたすがやに白羽の矢が立つ。担当編集者から「先生のオリジナル漫画は、どれも主人公がいい子で大人しい。この作品は『仮面ライダー』(すがやが作画を担当したこともある)みたいに描いてほしい。最後は主人公に空中回転してほしい」と言った。すがやは「テレビゲームは座って遊ぶもの」と思い抵抗があったが、「テレビゲームなど所詮一時的ブームで、単発の読み切りなのでムチャでもいいか」と考え、『ライダー』の新作と牛次郎・ビッグ錠のコンビによる『包丁人味平』『釘師サブやん』などの職人対決漫画を意識して、読みきり一本目は描かれた。締め切りまで10日もなかったが編集者が「取材に行こう」と、百円硬貨1万円分(100枚)を懐にアシスタントと共に新宿歌舞伎町に繰り出し、テレビゲームをやりまくったとのこと。 一本目を発表後『コロコロ』に連載したのは、すがやから企画を出したモータースポーツ漫画『F・1キッド』で、主人公がいい子であったため人気は今一だった。 翌年の1979年春に『ウルトラマン』シリーズを特集した増刊が出た際、『ウルトラマン』以外の漫画を2本載せることになり、このうちの1本を『あらし』にしたいとのことで、当時ブームだった『スペースインベーダー』をメインにして読み切り2本目が描かれた。すると人気投票で全体の8割の票を集めるトップとなり、急遽『コロコロコミック』に当時連載していた『F・1キッド』を終了させ、本誌で『あらし』を連載することになった。てんとう虫コミックスには、この読み切り2本目が第1話として収録されている。これは、読み切りの1本目と2本目ではキャラクター設定などが微妙に異なっている点があり、連載が読み切り2本目の設定を基本にして作られたのと、すがや本人が読み切り1本目の原稿を紛失してしまったためである。 連載後もすがやは「これは『ライダー』だ」と言い聞かせて描いたが、アクションシーンにも違和感がなくなるどころか、大胆で非現実な話をうまく描くことができた。この『あらし』の好調ぶりで、すがやは「やっと漫画家として自らを認めた」と語っている。
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