作品の評価と復刊までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 16:29 UTC 版)
「算法少女 (小説)」の記事における「作品の評価と復刊までの経緯」の解説
刊行の翌1974年、『算法少女』は児童文学として評価され、サンケイ児童出版文化賞を受賞した。数学教育の現場でも受け入れられ、多くの読者を得た。また、異例なところでは『推理小説の評論家として高名なさる方から』『推理小説作家の会合に出てみないか』と誘われた、と遠藤は筑摩書房のPR誌『ちくま』同年9月号にて告白している。ともあれこの作品の特徴は、一見関連の薄い多様な分野からそれぞれ高い評価を得ていることである。 しかし出版から十余年を経て、小説『算法少女』は絶版(厳密には在庫切れ増刷未定)となる。遠藤によれば「本も商品ですから」。 すでに遠藤自身も復刊を諦めかけた頃、都立戸山高校のある教諭が、生徒への課題に小説『算法少女』を用いた。絶版ゆえに手書きの丁寧な資料を作成するほどの熱心さだった。また、東大寺学園中学・高校教諭である小寺裕の音頭で復刊ドットコムに小説『算法少女』が登録された。瞬く間にまとまった票が集まったが、まだ復刊には道のりが遠かった。お茶の水女子大学と文京区の共催で2004年『和算の贈り物』というイベントが催された。その折り、多くの数学者とともに遠藤に講演の機会が与えられた。これに弾みを得て、月刊誌『数学セミナー』の元編集者亀井哲治郎の尽力により、2006年、30年ぶりに小説『算法少女』がちくま学芸文庫から復刊されることになった。
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