住居の材料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 17:26 UTC 版)
人類は定住するに当たり、まずはその近辺に豊富にある材料を寄せ集めて住宅を作った。このため世界各地でその風土ごとの様々な材料の住宅が存在するようになった。なお、こうして近隣で豊富に取れる材料を使って住宅を建設することは近代にいたるまで一般的であった。土や粘土は主要な建築材料のひとつであり、中東などの乾燥地においては、泥を型に入れ乾かすことで簡単につくれ断熱性に優れる日干し煉瓦(en:Mudbrick)が古代より主要な建築材料となっていた。一方高温多湿な熱帯やモンスーン地帯においては、軽量で風通しがよく雨に強い木材を使用することが一般的だった。高温湿潤地域においては、竹も主要な建築材料だった。湿地帯においては外装材に葦が多用された。石材も、どの文明でも使用された。特殊な建材としては、北極圏のイヌイットは冬季の住居に氷のブロックを用い、イグルーを建造していた。コンクリートも、古代エジプト、古代ローマの時代から、建築材料のひとつとして使われていた。特に古代ローマ帝国の技術者たちが使うローマン・コンクリートは優れており石材と組み合わせて使用された。 一方、移動の多い遊牧民などは住居として動物の毛皮や皮革などを使ったテントを設営した。 また地上に家屋を構えるのではなく、乾燥地においては地面を掘り下げたり地下に穴を掘って住居を建設することも近代にいたるまで行われていた。黄土高原における窰洞やカッパドキア・カイマクルの地下都市、チュニジアの旧マトマタなどがよく知られた例である。
※この「住居の材料」の解説は、「住宅」の解説の一部です。
「住居の材料」を含む「住宅」の記事については、「住宅」の概要を参照ください。
- 住居の材料のページへのリンク