低周波騒音問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:18 UTC 版)
エネファームに限らず多くの家庭用コジェネレーションシステム、及びヒートポンプ給湯装置は、運転時にファンを駆動させるため低周波音が発生する。2017年12月、消費者庁の事故調査委員会から、エネファームの発する運転音と健康被害の関連を指摘する報告があった。主な健康被害は、頭痛、不眠、胸の圧迫感である。被害の個人差が大きく、エネファームから20メートル離れた寝室でも、運転音が伝わり不眠を訴えるという報告もあった。 低周波音自体はエアコンの室外機や自動車のエンジンからも発生するものではあるが、エネファームの場合他の発生源に比べ音量が大きく、その作動原理上長時間かつ夜間にも発生するため問題となる。設置場所に対する構造上の制限が少ないことから、所有者の寝室よりも隣家の寝室の近くに設置される事態も起こり得、隣家が不眠を訴えても所有者は被害が実感できず、トラブルになる場合がある。前述の通り発症の個人差が大きいため、被害を訴えるのが一人だけであり、他の家族や所有者は聞こえない、感じないというケースもあり、被害の深刻さが理解されにくい面もある。 解決策として、機器の移設、ANC装置、マスキング音、防音エンクロージャーが考えられ、一定の効果が見られる場合もある。大阪ガスが株式会社ササクラと協力してANC(Active Noise Control)装置「スポットサイレンサー」をエネファーム向けに開発した。費用は70万円であるが、2018年2月現在、使用実績がないため確実な効果があるかは不明。
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