伝統的評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 01:25 UTC 版)
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、成金の性質について次のように評している。 その性格を一言で言えば、幸運に恵まれた愚か者の性格である。 良いものをすべて持っている気になっているために、傲岸不遜である。 贅沢を見せびらかす。 金がすべての評価の基準になっている。 自分好みのものに囲まれて生活しているため、他人が別の好みを持っていることを忘れる。 自分が官職につくべき人間だと考える。 金持ちであることの心得がまだできていないために、金持ちであることにつきものの欠点を古くからの金持ちよりもっと悪い形で持っている。 成金が不正行為に手を染めるのは、悪意からではなく、傲慢や抑制力のなさからである。 上記の評価はあくまで古代ギリシャのアリストテレスが評した成金像であるが、現代においてもしばしば当てはまる傾向であり、人間の性が変わらないものであることを示している。一方で、一代で財を成した人という意味の成金全てに当てはまる特徴という訳ではない点に注意が必要である。一般に成金という言葉は、そういう人たちがしばしば陥りがちな悪い面を指して言う、悪い評価を含んだ言葉である。このアリストテレスの記述も、様々な悪徳(倫理的にみて悪い性格)を列挙する中で出てくるものである(徳倫理学)。 日本では第一次世界大戦中、成金と呼ばれる人々を事実上標的にした戦時利得税を創設し税収増加に繋げている。結果として成金が国家の財政を潤した面もあった。成金を羨む一方、反感を抱く人間も少なくなかった。
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